Volvo Contruction Equipment (CE) Volvo Contruction Equipment (CE) | HBM

パターンの発見

Volvo CEの社内試験ドライバーが行った実地試験の中にはほんの2~3分で終わるものから、45分かかるものまであります。エンジニアの関心対象となるのは、加速、速度、前進/後退の動作、様々な組み合わせの荷積みおよび荷下ろし作業などです。このタイプの試験では、累積データが最大で300メガバイトに達することもあります。

計測したデータの解析は、InFieldソフトウェアを使用して現場で直ちに開始することができます。この段階ではデータの質をチェックする作業が最優先です。

「最近は、評価ソフトウェアが必要不可欠になっていますね。InFieldは、すばやく簡単に使えます。弊社の解析エンジニアにとって次のステップは、試験データを分析して操作することです。 GlyphWorks またはMatlabのどちらかを使って、パターンを認識し、統計を抽出し、異なる運転者間の行動の違いを指摘します。私たちが学習したことは、すべて後から弊社の機器の改善に使用されます。」とLennart Skogh氏は述べています。

顧客の運転行動を評価する

ボルボ建機では、経験豊富な試験運転士を使用し、自社の試験コース上で徹底的に車両試験を行っています。また顧客の通常の使用条件下での長期的な試験も実施しています。

Lennart Skogh氏は、「私たちがこうした方法をとるのは社内の試験施設を検証するためだけではなく、運転士によって異なる様々な運転行動について詳細にチェックするためです。顧客試験は、顧客側のキャビンに取り付けてCANバスリンクで直接接続されたeDAQのデータに基づいて行います。これにより、車両上の各部品から広範なデータの読み取り値を取得することが可能になります。eDAQはモデムで接続されているので、基地に戻ってからデータの処理を行うことができます。この方法で、システムのスイッチを切り替えたり、様々な短い試験のスケジュールを作ることができます」と説明しています。

Lennart Skogh氏は、実地試験の重要性は将来的にさらに高まると予想しています。

Skogh氏は「データシミュレーションは、どれも非常に良くできていますね。ただし、当社の機械がいろいろな状況下でどのような挙動を示すのか、それが確実に分かるのは実地試験を行った時に限られます。お客様がどのように運転されているのか、これが製品開発の上で重要になりつつあります。ですから、今後は実値計測を行うケースが増えることになるでしょうね。」と述べています。

 

結果の追跡記録

何千という計測結果の追跡記録は、かなり困難な作業になる可能性があります。Volvo CEによると、eDAQの持つ強みの一つは、試験セットアップをそれぞれ計測データファイルに保存できる点です。つまり、以前のデータとセットアップを使用することで、同じ校正値を使用した全く同一の試験を後から再現することが可能となります。また、予期しない結果が出た場合は、使用した校正値が正しいかどうかを検証することもできます。

 

未来の建設機械をさらに洗練させる

ここでは開発中のローダーを対象とした試験が行われています。大規模な試験施設内の徹底的な監視下におかれたリグには、仕上げ済みの車両試作品の他に、個々のコンポーネントも置かれています。こうした試験施設(ほとんどすべての条件を制御された環境下で再現するのに十分なスペースを保有)での試験の場合も、また外の現実世界での試験の場合も、試作品は一定範囲の計画に従った試験を受けることになります。試験センター内にあり数千平方メートルの広さを占めるローダーの試験部門では、数百名ものスタッフが常に忙しく働いています。

エスキルストゥーナにあるボルボ建機(Volvo CE)の試験エンジニア兼試験ドライバーであるLennart Skogh氏は、「当社では、9種類あるローダーの製品レンジを常に最適化しています。ここではローダーをさらに洗練させる方法として、屋外での実地試験を使用するケースが益々増えていますね。最近は燃費の問題が大きな注目を集めています。当社では、車両の性能を向上させて燃料効率をさらに良くするための一つの方法として、ドライバーの行動についても評価を行っていますよ。」と説明しています。Skogh氏は、非常に厳しい試験を計画し実行しているスタッフの一人です。この試験では、採石場や砂利置き場など実際の使用条件下でローダーの試験を行います。

 

The challenge

To test advanced construction equipment under real-life conditions as part of the product development process, exposing the vehicle to the real rough stuff, for example in a quarry. The test system not only has to cope with extreme conditions – it also has to handle a large number of test parameters while remaining easy to calibrate. And the entire system has to occupy a small footprint in the driver's cab.

The solution

Volvo Construction Equipment uses HBM's SoMat eDAQ test system as the basis for its field measurements. This robust system is installed in prototypes of construction equipment and operates out in the field, acquiring data like pressure, strain, temperature, position and acceleration as the vehicle is loaded and unloaded and moved around. Around ten channels are used for testing, but as many as 200 may be needed in some cases.

The result

The SoMat eDAQ used by Volvo CE is a robust, reliable and flexible test system that sits unobtrusively in the driver's cab while loaders are being tested. The system can obtain data from a large number of channels, and the integrated modem means they can be remotely operated in order to analyze the customer's day-to-day driving.

Once the large volume of data has been analyzed, the results are used as a basis for developing the fuel-efficient loaders of the future, with improved driving characteristics and greater sustainability.

ボルボ建機の試験での過酷な試験内容に対応するローダーは、頑丈なeDAQを使用して現場で柔軟にデータを取得

建設機械市場での競争が激化するにつれて、利益幅が次第に圧迫されつつあります。これを受けて各車両メーカーは、正確で先進的な計測や試験の上に構築される微調整可能なプロセスを使用する方向へと、製品開発の方法を切り替えました。ボルボ建機(Volvo CE:Volvo Construction Equipment)では、HBM製のSoMat eDAQ 試験システムを、極端に厳しい条件下におけるローダーの試作品試験に活用しています。

スウェーデンが誇る伝統企業、ボルボ建機は、豊富なエンジニアリングの専門知識に加えて、ローダーおよびダンプカーの優れた運転特性で知られています。またボルボ建設機械は、この分野トップの地位を維持するため不断の努力をしています。エスキルストゥーナ(Eskilstuna)近郊にある大規模な開発・試験センターは、同社のこうした取り組みの好例だと言えます。

 

さらなる実地試験

車両試験を実地で行うケースが増えるにつれて、厳しい条件下でもしっかり役割を果たすことが計測機器にとって重要となってきます。Lennart Skogh氏を含む20人あまりのボルボのエンジニアが、移動データ取得にHBM製のSoMat eDAQ試験システムを使用しています。

Lennart Skogh氏は、次のように説明しています。「1990年代にSoMat 2500試験システムを使い始めた当時は、私たちがパイオニアでしたね。今ではすべての実地試験を、後継機のeDAQを使って行っています。このシステムは実際にローダーに取り付けますから、厳しい条件にも対処できなければなりません。圧力、ひずみ、温度、位置、加速度などのパラメータを取得するのに、私たちが一回の試験で使用するチャンネルは10個から200個の間になります。」

 

容易な校正作業

試験の準備に際して、ローダーにはたくさんの試験用機器が取り付けられます。エスキルストゥーナにある計測機器の作業場には、チームが必要とする可能性のある機器類がすべて保管されています。いくつかのeDAQシステムと並んで、様々なタイプのセンサ、ケーブル、GPSシステム、カメラなどが揃っており、実行する試験によって選択することができます。eDAQシステムはローダーの運転キャビンに取り付けられるのが普通なので、頑丈で邪魔にならないことが重要です。

さらにLennart Skogh氏は、次のように述べています。「eDAQに合わせてセンサを校正する作業は至って簡単で、柔軟性や用途が犠牲になることは一切ありません。センサの校正値を使用することもできますし、最小シリンダ長や最大シリンダ長などの既知の数値を入力することもできます。ユーザーが入力した値が100%信頼できるとは限りません。ですから私は、大部分のエラーを検出して警告ダイアログに表示してくれるeDAQの機能がとても気に入っています。この機能があるので、このeDAQはほとんど間違えようがないシステムになっているのです。」