繰り返し性 (Relative standard devition of repeatability)
繰り返し性(Repeatability)は、同一条件で同一トルクを繰り返し複数回かけた場合に生じる出力値の変動を表します。ただし、測定期間中は、 トルク変換器 の取付け状態に変化がなく、脱着も行わないことが条件になります。数値は、同一条件で同一トルクを繰り返しかけたときの出力値の平均値からの偏差を表します。
繰り返し性は、DIN 1319 に準拠する繰り返し性として定義され、感度に対するパーセントで表されます。この値は全ての測定条件が一定に保たれている場合に適用されます。もし測定条件に変化があった場合、出力値に系統的な偏差を生じる原因になります。(DIN 1319 に定義された繰り返し性)
繰り返し性は、以下に示す静的な校正方法で検査されています。:
- トルク変換器に公称トルクをかけます。出力値 S1,100% は公称トルク時の出力値です。
- 公称トルクの50%のトルクをかけます。出力値 S1,50% は公称トルク時の出力値です。
- 公称トルクの50%と100%のトルクを交互にかけます。この負荷サイクルを10回繰り返し、 Si,50% と Si,100% の出力値を測定します。
- 以下の数式に、それぞれの負荷トルクに対する出力値を代入し、相対標準偏差を計算します。(数学的には、ランダムサンプリングによる実験的標準偏差の算出方法です):

繰り返し性を n=10 とし、公称トルクの50%と100%の条件における出力値を求め、下式に基づき測定値の平均値を計算します。

- 繰り返し性は、 σrel,50% と σrel,100% のどちらか小さい方の値を表します。
例:
HBM の場合、 T10F トルクフランジ の繰り返し性は σrel ≦ 0.03%です。
実際の負荷トルクが公称トルクの範囲内であれば、この値が適用されます。例えば、公称トルクを1kN・mとした場合、上述の条件に従うと負荷トルク500N・mは適用範囲内になります。従って、この場合、繰り返しの標準偏差は、0.15N・m以下と計算されます。
次の例は、繰り返し性がユーザーにとって特に重要である場合の説明です。エンジンテストベンチ試験の目的の中に、電子制御のパラメータ設定が及ぼす性能比較があります。但し前提条件として トルク変換器 の取付状態と環境条件は一定に保たれている必要があります。また、負荷トルク運転パターンは、同一条件の実験では同じでなければなりません。
これらの実験においては、トルクの絶対値よりも実験毎のトルク値の差がより重要視されています。このような状況下で生じるある程度のトルク値の差は、トルク変換器の不確かさ要因の一つである繰り返し性の影響も含まれています。







