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MGCplus を使用した推進モジュールの静止成分試験

太陽に向かって:水星への途上

BEPICOLOMBO(ベピコロンボ)計画―欧州宇宙機関(ESA)と日本の宇宙機関ISAS/JAXAは水星の探査を希望しています。探査には、推進モジュールと水星の軌道上を回る2機の宇宙探査機を使用します。

MTM推進モジュールの静止成分試験の的確性認定が最近になって完了しましたが、これには包括的なHBMの計測技術が使用されました。

BEPICOLOMBO計画のためのプログラムは、ESAが定めた要件を満たすためにEADS Astrium GmbHが開発したものです。主要な探査機である水星表面探査機(MPO: Mercury Planetary Orbiter)およびその推進モジュールであるMTM(Mercury Transfer Module)は、ESAによって製造されたものです。日本は、姉妹探査機であるMMO(Mercury Magnetospheric Orbiter:水星磁気圏探査機)を提供しています。

テストベンチ上の電気推進モジュールMTM

MTM推進モジュールの静止成分試験の適格性認定を担当した機関は、スペイン国立航空宇宙技術機関 INTA(Spanish Instituto Nacional de Tecnica Aeroespacial)でした。

この試験方法は、基本的に運用中の宇宙ステーションに対して作用する臨界負荷の包絡線をシミュレートするものです。アクチュエータを装備した多機能テストベンチ上で、主構造物に対して機械的な負荷が適用されます。この目的のために委託を受けているのが、スペインの企業 EADS CASA Espacioです。

この構造物の周囲には、様々なセンサ(202個のひずみゲージ、24個の変位変換器、8個の傾斜計)が戦略的なポジションに配置されています。

変位変換器は、HBM製のCANHEAD®(分布ひずみゲージを使用するアプリケーション用のアンプシステム)を経由して接続されます。データの処理、計測、モニタリングの実行には、HBM製のMGCplusデータ取得システムを使用します。

MGCplusを使用した効率的な計測データ取得

負荷、変位、ひずみ、ストレス信号の各データを取得するデジタル計測システムは、この試験プログラムに必要不可欠なコンポーネントです。

取得したデータを使用することで、計測結果が計算予測と一致するかどうかをチェックできます。有限要素モデルの計算方法は、その有効性を確認することが可能です。

このため試験エンジニアは、理論設計を実行に移すことにより、シミュレートされた運転条件下における宇宙ステーション構造体の実効能力をチェックすることが可能になります。

MGCplusデータ取得システムは、様々な改良型試験や多くのコンポーネント試験において、その性能が実証されています。このシステムは高品質の計測データを提供し、処理プロセスを単純化します。

欧州宇宙機関のアリアン5計画の認定試験では大量のケーブルが必要となりましたが、今回のケーブル費は大幅に減少しています。MGCplusは出費を大幅に削減するので、その結果としてコストが削減されます。