ストレインゲージ(ひずみゲージ)を使用した力変換器には、いわゆるスプリングエレメントまたは計測対象となるが加えられて荷重を受ける部品が装備されています。

このスプリングエレメントが変形すると、表面に歪みが生成されます。そこでスプリングエレメントの役割は、可能な限り再生可能かつ直線的な方法で、計測対象の力を歪みに変換することです。多くの力変換器の特性は、スプリングエレメントの材料に何を使用し、どのような設計を選択しているかによって定義されます。

実際のセンサエレメントはストレインゲージ(SG)で、このSGは、絶縁層(いわゆるホルダ)とそこに取り付けられた計測グリッドから構成されています。ストレインゲージは、適切な位置でスプリングエレメントに接着されています。一般的に4個のストレインゲージが使用され、力がかかると4個のうち2個が引き伸ばされ、残りの2個が圧縮されるように取り付けられています。

これら4個のSGが、ホイートストンブリッジ回路で接続されています。下の図に示すように、このホイートストンブリッジには励起電圧が供給されています。したがって、例えばSGの抵抗が歪みによって変化するなど、4つの抵抗が異なる時には、常に出力電圧が発生します。

ひずみゲージベースの力変換器が動作するしくみ (例:タイプ C18 リングトーション力変換器)

出力信号SGにおける抵抗の変化に依存し、したがって加えられた力に直接左右されます。

ストレインゲージ計測原理のメリット

この原理には実証済みの実績があり、数多くのメリットを提供しています。中でも重要なものは以下の通りです。:

  • SGの電気抵抗が同じ方向に同じ程度で変化すると出力電圧が生成されません。これは、例えばゼロポイントの温度依存性、曲げモーメントの影響、横方向力の効果など、非常に多くの寄生的な影響があっても、それらを補正できることを意味しています(以下を参照)。
  • この計測原理により、非常に高い精度を持つ力変換器を、比較的低いコストで製造することが可能になります。
  • 変換器の公称(定格)力を決定するのは、スプリングエレメントの剛性のみです。HBMでは、10 Nから5 MNまでの公称(定格)力を持つ変換器をご用意しています。

この第一のポイントは特に重要です。ホイートストンブリッジ回路を使用することによって、多くの不必要な影響が補正できることを示しています。

特に、ゼロポイントに対する温度の影響(TKZero)は、非常に高いレベルで補正することが可能です。すべてのストレインゲージが、温度が変化すると出力信号を示します。これがいわゆる公称歪みと呼ばれるものです。

図 1: 各温度によるSGの出力信号

補正効果

この補正効果は、4個のSGが、その時間中に温度が変化しても、抵抗が変化する方向と量に関してはすべて同様の挙動を示すという事実によって得られるものです。2個のプラスSGと2個のマイナスSGを等式に代入すると、温度が変化しても基本的に出力信号は生成されません

残りの誤差はごく小さいもので、ホイートストンブリッジ回路に接続されている特殊なニッケルエレメントによって修正が可能です。

電源配線に温度依存の抵抗(これもニッケルエレメント)を追加することで、感度の温度依存性(TCS)を補正します。温度が変化している間は、同じ力がかかっていても、材料の弾性係数の減少に伴って歪みがより大きくなります。

これに加えて、SGの感度は温度に依存します。電源供給ラインの抵抗によって補正されるのは、温度が高くなると抵抗の増大がより大きな電圧低下につながるからです。これがホイートストンブリッジ内の電圧を低下させ、その結果として出力信号が減少します。

直線性誤差は、荷重の下で幾何比が変化することによって発生します。力変換器は、スプリングエレメント設計の巧みな選択とストレインゲージの正確な位置決めにより、非常に良好な直線性を生成するように最適化することが可能です。

図2は、補正オプションの要約を示します。上記で詳述したTKZeroおよびTCSの影響に加えて、調整によって直線性を補正し、目的の感度を実現することも可能です。

図2:TKZeroおよびTCSの調整による力変換器の接続。感度および直線性のための追加的な調整エレメント。

SG技術により、計測すべきでない機械的な影響(曲げモーメントや横方向力)の補正も可能になります。

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