コロンビア川の環境保護指定地域における水中発破プロジェクトがHBM Genesis機器を使用することで厳しい安全上の制限に対応

米国にある2社の請負業者(Contract Drilling&Blasting社およびAimone-Martin Associates社)は、  HBM の Genesis GEN7t ハイスピードデータ収集システム を使用して、コロンビア川の、オレゴン州セントヘレンズ付近の長さ1マイルの環境保護指定地域において、水中発破のモニタリングに成功しました。

米国陸軍工兵隊の運営によって、コロンビア川の水深を航行可能な深さまで浚渫する5,200万USドルのプロジェクトは、こうした非常に要求の厳しい条件下でデータ取得機器とセンサを使用した最初の例であり、その意味で非常にユニークなプロジェクトでした。

コロンビア川の水流は8~10ノット(11.5マイル/時)に達することがあります。同時に、水に含まれるがれき類がセンサの配線に絡まるため、特に発破が頻繁に使用される間はセンサの摩耗や損傷の度合いが高くなります。

オレゴン州セントヘレンズ付近のコロンビア川。©Kenneth Korb, shutterstock.com

プロジェクトの説明

コロンビア川では、この地域で昔から行われているサケ漁業によって利益を得ていますが、ここ数年間は環境への懸念が高まり、このサケ漁業に関心が集まっています。こうした事情から、発破が海洋生物に及ぼすリスクを最小限に抑えることが必須の課題になっていました。

上記の条件を満たすために、プロジェクトリーダーとしての米国陸軍工兵隊は、最も近い発破孔から42.7メートルの距離における許容可能な最大水中超過圧力として、70 psi(4.83バール)という値を規定しました。発破の運用は、魚類に被害が及ぶ危険性を最小限に抑えるため、サケの漁期を外して実施されました。

制御されたドリル孔掘削および発破の実施

2010年の2月に完了したこのプロジェクトによって、約38万立方メートルの玄武岩と川底の堆積物が除去され、川の水深は13.1 mから14.9 mに増大しました。その結果、喫水が大きな最新世代の新型船でも通行が可能になりました。川底の岩盤の準備作業を担当したのは、ニュージャージー州ベイヨンに拠点をおくContract Drilling&Blasting社。同社は、多くの大規模な航行水路における制御されたドリル孔掘削および発破、さらに北米やカリブ海における港湾拡張プロジェクトに関し、18年以上にわたる豊富な実績を持っています。

発破のモニタリング、大規模建設の器具編成、採掘、政府プロジェクトなどで35年以上の経験を持ち、ニューメキシコ州ソコロ(Socorro)に拠点を置くAimone-Martin Associates社が、川底近くに発破の圧力を記録する水中センサを配備しました。

非常に厳しい試験条件

この契約には、圧力モニタリングシステムの運転に一度でも障害が発生すればプロジェクト全体を停止する、という規定がありました。この規定は、チームにとって大きなプレッシャーとなりました。試験の運用条件が非常に厳しく、この試験で使用するタイプの機器にとって好都合ではないのに、一定の順序で作動する多数のセンサを使用した代理機能システムを提供しなければならないのです。

2個の異なる圧力センサを使用して水中圧力の時間履歴を記録するために、Genesis HighSpeed GEN7tを使用しました。2個のセンサは、契約上の仕様を満たすため川底から3.0 mの水中に配置され、それぞれの発破からの距離は140フィート(42.7 m)および300フィート(91.4 m)でした。

水中爆破試験に際して船上に設置したGenesis HighSpeedシステム

Genesis HighSpeedの使用

HBMのGenesis GEN7tが選択されたのは、毎秒1 MSで作動する同時取得チャンネルが複数必要となったからです。Genesis GEN7tの持つ継続的なdirect-to-disk機能は、こうしたサンプルレートでもトリガーなしでデータの取得を可能にします。これは、発破を見失うリスクが小さくなることを意味しています。

Genesis GEN7tのもう一つのメリットとして、リアルタイム表示機能があります。この機能は、発破前の準備中およびセンサの適用中に非常に有用でした。

試験の進行状態

プロジェクトの期間中、2009年の11月1日から2010年の2月28日にかけて、毎週6日から7日間、午前5時から午後8時までという非常に厳しいスケジュールで発破とそのモニタリングが実施されました。

発破孔の掘削工程では、3基のドリルリグ(掘削装置)を装備したドリル船を使用して発破孔の列を掘削しました。一列の掘削が終わると、ドリル船は3.0~3.7 mほど移動してさらに次の列を掘削するという工程を繰り返し、穴の列によって四角形のパターンができると、爆発物を充填する準備が完了します。

Genesis GEN7tのデータ取得およびモニタリング用機器は、浚渫現場の上流にいかりで固定された作業船上に、別々に取り付けました。発破実施時間の2時間前になるとモニタリングチームが招集され、発破現場の潮汐と水流をチェックしてセンサシステムを配置し、さらに初期データの品質を確認しました。発破5分前の警報時にデータストリーミングを開始し、データの収集は1分前警報から開始しました。そして爆発が完了してから約3秒後に記録を終了しました。

データはすべてリアルタイムで表示され、発破の終了後直ちに解析を実行し、2分以内にピーク圧をドリル船に送信しました。さらに各爆発の終了後15分以内に完全なレポートを作成しました。このレポートはFTPサイトにアップロードされ、参加者全員がデータにアクセスすることが可能でした。

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