各光チャネルに接続される1本のFBGセンサチェーン上に使用できるセンサの接続数は、使用される接続の種類だけでなく、インテロゲータ、ファイバのタイプ、長さ、および光信号損失(光ケーブルの経路、微小曲率などの設置状態により影響される)にも依存します。
a)コネクタ接続vs融着接続
光ファイバ式ひずみセンサをチェーン接続する場合、コネクタ接続と融着接続の2つの方式を使用できます。
コネクタは文字通り「プラグアンドプレイ」を意味するため、現場で簡単に設置できます。しかしながら、この方式は、光信号の損失や時間とともに劣化する傾向が比較的大きくなります。
一方、融着接続は2つのファイバを融合させる最も確実な接続方式であり、時間の経過に関係なく安定し、光学損失が低いのが特長です。しかし、融着接続は、専用ツール、熟練した専門家、およびより長い設置時間が必要です。
設置時間を最小限に抑え、各センサのチェーンに接続できるセンサ数を増やすために、HBM FiberSensingは、各用途に合わせた、融着接続(保護カバー付)で組立済みのセンサアレイを提供します。
b)ファイバの種類と長さ
HBM FiberSensingのセンサチェーンに使用されるファイバケーブルは2種類あります。FSシリーズのセンサで使用されるファイバは9 µmコアで、 OPシリーズのセンサで使用されるファイバは6 µmコアです。
9 µmコアファイバの減衰損失が非常に小さいため、FSシリーズのセンサケーブルはセンサ信号を損なうことなく、数キロメートルの距離を伝送できます。OPシリーズのファイバケーブルは、減衰損失がより大きいので、長距離伝送には適していません。
2種類のファイバを一緒に接続すると、たとえ融着接続を使用しても、インタフェース面での損失も大きくなり、チェーン内で異なる種類のファイバを使用できる回数が制限されます。
c)センサ反射率
FBGセンサの計測原理は、入射光の一部が反射してできる反射スペクトルに基づいています。入射光は一定の割合で反射されます。FSシリーズのセンサは約65%の反射率、OPシリーズのセンサは15%未満の反射率をもっています。損失を計算する際には、センサの反射率も考慮する必要があります。
d)インテロゲータのダイナミックレンジ
光センサチェーン上の許容損失は、インテロゲータのダイナミックレンジによって決まります。ピーク値検出に使用する光学スペクトルを有効な信号と判断するために、ダイナミックレンジと信号対雑音比が使用されます。ダイナミックレンジに対して、損失値が大きい、または非常に近い信号は、インテロゲータによって正しく取得されません。
光ファイバ式センサチェーンを最適化するためには、センサ, インテロゲータ および アクセサリの技術的特性を注意深く検証する必要があります。
HBMは、お客様が適切な部品が選択できるようにサポートしています。ご不明な点は、HBMの担当者までご連絡ください。