比較


代表的な値で示す2つの方式の違い

ひずみゲージの場合、計測体が弾性変形すると、まずひずみゲージの抵抗値が変化します。これによりホィートストンブリッジ回路に電気的出力信号が生成されます。

一方、圧電効果の原理から、結晶に圧縮荷重を加えると加えた力に比例した電荷が生成されます。

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図1: ブリッジ回路を構成するひずみゲージ式センサ

 

この電荷を、チャージアンプを用いて、電荷に比例した電圧出力に変換します。これら2つの技術はお互いに完璧な相補性を持っています。ひずみゲージは、長期間の計測における優れた安定性があり、高い直線性も併せ持ちます。


図2: 圧電式センサの結晶原理

圧電式センサは、サイズを非常に小さくすることができ、また固有振動数が大きいため動的アプリケーションに適しています。

電気信号を出力するメカトロニクス部品が既に水晶(クォーツ)を利用して作られてきたとおり、圧電式センサによる計測は変位がほぼありません。圧電式センサの感度は、そのサイズやクォーツの体積には通常依存せず、使用する材料や、形状によって変化します。

Q = q11 · n · F

Q = 生成された電荷
q11 = 材料定数(例: 4.3 pC/N)
n = 直列に接続されたクォーツ素子の数
F = 機械的荷重または力

ひずみゲージ式センサでは、弾性変形がフックの法則に従ってひずみゲージの抵抗値の変化に変換されます。抵抗の変化では次の関係が成り立ちます。

F = E · A · ε

ε = 計測体のひずみ
E = 計測体の弾性係数
A = 計測体の断面積
F = 機械的荷重または力

∆R / R = k · ε

∆R = 荷重を受けたときの抵抗変化量
R = 荷重を受けていないときの抵抗値
k = ひずみゲージのゲージ率

圧電式とひずみゲージ式を比べると、電気的感度に顕著な違いがあることがわかります。

例1:

圧電式センサで5 kNを計測する場合、材料特性は-4.3 pC/N

ひずみゲージ式センサで5 kNを計測する場合、材料特性は2 mV/V、すなわち0.4 μV/N

例2:

圧電式センサで140 kNを計測する場合、材料特性は-4.3 pC/N

ひずみゲージ式センサで140 kNを計測する場合、材料特性は2 mV/V、すなわち0.014 μV/N

圧電式計測はセンサが多様で、精度や分解能を落とすことなく計測範囲を拡大することが可能です。

ひずみゲージ式長期間の安定性において強みがありますが、圧電式では、絶縁抵抗が非常に大きく試験装置に組み込むことはほぼ不可能です。

実際、ドリフトがたいてい約1 N/minあるため、計測内容の要求事項によっては計測時間を数分に抑えなければなりません。例えば、50 kNの計測範囲(電荷量215000 pC、材料特性-4.3 pC/N)でドリフト量を0.05%未満に抑える必要がある場合、計測できる時間は最大でおよそ25分になります。

ひずみゲージ式センサを取り付けたフルブリッジ回路では優れた直線性が得られます。そのため温度変化などノイズの影響を別途補償する必要がありません。また、一部の荷重範囲において高い計測精度が求められる計測、例えば参照用センサなどには、ひずみゲージ式センサの方が適します。スペースが狭く取付けに制限がある場合では、圧電式センサが有利です。計測範囲が同じで、性能特性も同等の場合、圧電式センサのサイズは、ひずみゲージ式センサに対する比率で最大1/30の小ささになります。


図3: プロセスコントローラMP85A-FASTpressによる圧電式計測チェーン


ひずみゲージ式と圧電式のどちらの機械量計測技術も、それぞれ活躍の場があります。両者の特性は相補的で、ひずみゲージの性能が限界となるところで、圧電式が性能を発揮し始めます。HBMの製品ラインナップに圧電式計測技術が加わったことで、どのような場合にも最適な計測ソリューションを提供することができるようになりました。

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