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HORIBA製の車両テストスタンドVULCAN用の力変換器U10M

HORIBAグループは、世界有数の自動車用テストシステムの供給メーカーです。HORIBA社は、車両用テストベンチVULCANの開発中に、ある課題に直面しました。トルクの計測中に最高の精度を実現するにはどうすればよいのか、またそれと同時に魅力的なコストや性能比を維持するにはどのような方法があるのかという問題です。

国際的な排気ガス規制では、例えばHORIBA(堀場製作所)製“Vulcan”のような車両用テストベンチ上で実行可能な、標準的な運転サイクルが指定されています。その目的は、車両の性能、排出ガス、燃料消費パターンを検証することです。このテストベンチは、駆動装置を使用して、勾配や傾斜、あるいは水平荷重などの現実的な負荷をシミュレーションします。

HORIBA's vehicle test bench VULCAN

HORIBA製の車両用テストベンチ“VULCAN”では、軸ごとに駆動ローラーの間にモータが1基だけ搭載されています。したがってシャフトが短くなり、動的挙動が改善されます。各軸のトルクはそれぞれ単一の力変換器で記録され、モータの反作用トルクがレバーを経由して力変換器に力を伝達します。

再現可能な結果を得るためにここで重要となる要素は、駆動装置上のトルクを正確に決定することです。トルクは力とレバーアームの長さの積になるため、システム全体の精度は使用している変換器の度量衡特性に依存します。変換器の計測結果が不正確な場合は、その車両テストベンチ上で行うすべてのテストの有意性が疑問視されます。

したがってHORIBAでは、0.1%をはるかに超える最大精度の実現を最重要視しており、最終的にシンプルで賢明な計測プロセスの改良に成功するルートを見つけ出しました。構造上の修正に加えて、HBM製の力変換器U10Mを使用したことがこの現状打破を大きく後押しする結果となりました。

こうした場合、力変換器U10Mの校正をアプリケーション内で実行するため、この装置の優れた再現性が利点となります。U10Mの振動帯域幅最大性能の200%となっており、公称トルクに達する動的運転においても確実に作動します。錆びない材料で製造され、保護等級IP67で保護されたU10MとHORIBAの組み合わせは、その動的特性と信頼性、そして精度で注目されています。

実例に示されているように、あらゆるテストベンチの性能は、そこで使用している計測技術の性能を超えることはありません。使用する変換器がもたらす計測の精度と信頼性が、その後に実行されるテストの有意性を決定します。HBMはセンサや計測用電子機器からソフトウェアまでを含む幅広い製品ポートフォリオにより、あらゆるタイプの作業向けに最適なソリューションを提供し、テストベンチでもより優れた結果を実現します。

U10M 力変換器

U10Mは、静的・動的な伸張力と圧縮力を判定するための力変換器です。計測範囲は、0~1.25 kNのタイプから、2.5 kN、5 kN、12.5 kN、25 kN、50 kN、125 kN、250 kN、500 kNまで、9種類の公称(定格)計測範囲をカバーする製品をご用意しています。また、ダブルブリッジバージョンをはじめ、校正パラメータとコネクタの選択 肢を含めて、数多くのオプションによりご使用のテストタスクに最適なU10M力変換器を見つけ出すことができます。