肥料過多になっていませんか?世界唯一の調査・解析用テストベンチ 肥料過多になっていませんか?世界唯一の調査・解析用テストベンチ | HBM

肥料過多になっていませんか?世界唯一の調査・解析用テストベンチ

 

フランスの農業環境工学研究所Cemagrefは、モントルドルにある9カ所の施設のうちの一つで、肥料の散布について研究しています。遠心散布機により散布される無機質肥料の分布を図表にする装置は、世界的に類を見ません。

肥料散布の調査:現在の評価システムの限界

2006年まで、散布した肥料の量は、機械が通過する通路の進行軸に対する横方向の分布として表現されていました。計測結果は統合化された値として与えられるため、肥料の散布を最適化して環境汚染を最小限にとどめるためには、大がかりな解析を行う必要がありました。

しかし、肥料散布機の出力の向上によって設定点の数が限界を超え、実際の条件下で作成した散布モデルを使用しなければ機械を最適化することは実質的に不可能となり、従来のテストベンチでは将来のニーズに対応できなくなりました。

革命的なテストベンチの原理

肥料散布機は、2枚の回転盤を使用して機械の後方と側方に肥料を散布します。その結果、地面に散布される肥料は、密度の異なる同心円状の領域に分布します。Cemagrefの特許申請中の制御ステーションは、散布量を半径方向に沿って計測した結果に基づいて機能します。

散布試験では、散布機は自転しながら運転するように設定されます。回転する散布機の周囲に配置された捕集容器により、同心円状の密度分布が扇形のセクションごとに図表化されます。その結果、全体として実際の地面に散布された肥料の分布が得られます。データ処理にはいくつかの段階があり、散布状態の特性付けが行われてから、散布量の分布モデルが作成されます。

これによって、研究者と技術者は客観的な計測結果を入手できるため、大胆な解釈に頼る必要がなくなります。この技術革新には、実用上の利点もあります。テストベンチを設置する40 m x 1 mのスペースは、以前の15分の1の大きさであることから、はるかに経済的です。

最大1 kgまで計測できる80個のロードセルによって、80個の容器に回収される肥料が計量されます。MGCplusは、すべてのロードセルから、最大周波数2,400 Hzで同期しながら連続的にデータを収集します。分解能は0.02 gで、各容器内の質量の蓄積過程を液滴単位で計測できます。各容器における遠心肥料散布機との相対角度も同時計測され、散布領域内の各位置における肥料密度の平均値が得られます。

220度の範囲の分布図は計測精度によって異なりますが、1~3分で作成されます。最大2.2tまで計測できる3個のRTNロードセルにより、回転支持体、肥料散布機、肥料からなる複合体も同時に計測し、重量の減少過程を20gの分解能で連続的に取得します。これにより、肥料散布機の放出口から出ていく肥料の流れを記録できます。

MGCpluscatman®を使用した簡単なデータ収集

使用するすべてのロードセルは遠隔操作によって校正されるか簡単に試験されるため、テストベンチ上で調整する必要はありませんMGCplusアンプシステムとcatman®ソフトウェアの便利な校正用ウィンドウに直接接続できるため、増幅とオフセットは簡単に調節可能です。

ロードセルの計測記録からは、試験の経過を確実に再現することができます。catman®の複数のディスプレイウィンドウには、すべてのロードセルの計測データをリアルタイムで表示してモニタリングすることができます。プログラムは他のプログラム(データベース、処理ソフトウェア)と接続可能で、ユーザーが介入する必要はありません。

この技術によって、新しい完全な試験(パラメーター化、試験、データの保存と処理)を5分ごとに実行できるようになりました。