過酷なテスト環境でのデータ収集: 堅牢性が要求されるアプリケーションで、高信頼性テストを行う

 

課題の多いテストや計測環境-例えば極度に湿度や温度が高い、振動が多い、といった異常環境で高精度な計測結果を得るためには、極めて堅牢なテスト装置や計測装置が必要になります。高いパフォーマンスを確実に得るためには、DAQ(データ収集システム)が使用前に十分テストされている必要があります。堅牢な最新のQuatumXシリーズの耐環境モデルを例に、そのテスト方法を詳しく紹介しましょう。

極めて堅牢な、という点において、QuantumXシリーズの耐環境モデルは、すべての天候と過酷な利用環境を想定したテストで、適切な耐久性と信頼性を有しているのでしょうか?

一見したところ、密閉型の金属性ハウジングと高耐久ケーブルがあれば、DAQはどんな環境にも適応するように思われます。まず、ターゲットとなる計測アプリケーションや個々の計測環境を細かくチェックしておくこと、これが最初の課題の1つです。DAQユニットの設計に影響を与えてしまうからです。建設、掘削、農畜、海洋などの移動体、静止体、或いは台上テストのいずれもが、この極めて過酷なターゲットアプリケーションに含まれます。

 

お客様とともに、HBMは負荷のプロファイル収集し、これらを分析することにより、データ品質を最適化できるフィルタを見つけます。負荷の種類は、長時間にわたり収集する電流や周波数データがあり、DAQの影響や組み合わせによって変化します。

 

信頼性を確保する

HBMでは、厳しい計測環境をシミュレートした環境テストも行い、モジュールが過酷な環境においても信頼性の高いデータを収集できることを確認しています。

まずはテスト標準を開発することが主要タスクとなります。テスト標準に則って性能を確認し、結果をフィードバックすることで、再現性をもったモジュール開発が可能になるからです。例えばこのモジュールはひび割れやケーブル故障の場合も、正しく動作し続けるのでしょうか?

HBMでは、独自の認証テストラボを持ち、数多くの信頼性テストを行っています。人工気候室、電気機械的衝撃や振動システム、水槽、EMIテストなどが行えます。また特別に外部テスト施設を使った追加的な性能確認も行っています。

温度や湿度の影響をテストする

Picture: test of dew point crossing

QuantumXシリーズ耐環境モデルの設計上の課題の1つは、周囲温度範囲の拡大であり、-35 to 80 °Cを達成することでした。

過酷な温度条件でモジュールが正しく動作するかを確認するため、気候チェンバを利用して急激な温度および湿度変化を与え、テストを行いました。過渡的な環境、保存時、動作時それぞれの条件で、モジュールの機能が維持できるかを確認するものです。

熱衝撃テストでは、ユニットが突然の温度変化に耐久できるか確認します。温度が急速に変化する過酷な温度環境を想定したもので、最も厳しい温度テストといえます。このモジュールは1分間、30℃の動作温度変化に耐えられるよう設計されています。このテストが特に重要なのは、このモジュールが完全に電源オフの状態で凍結した後、電源が再びオンになり暖気されるという、過酷な環境で使用される事です。

 

HBMのエンジニアはモジュールを-40℃の環境に3時間設置した後、すぐに85℃の環境に設置するという現実的に厳しい計測環境をシミュレーションしたテストを行いました。モジュールが周囲温度に適応し結露がなくなるまで、モジュールへの影響を確認するため、さらに3時間同じ温度でテストを継続します。

撹拌/衝撃テスト

アセンブリや部品の撹拌、衝撃テストは振動テストの中で行います。このテストが必要なのは、モジュールがフィールドテストで手荒に扱われた場合の耐久性が確認できるからです。損傷が発生しやすい状況は、デバイスが自然に、または共振により振動する場合です。

 

衝撃テストの様子

製品寿命最大化のために、このモジュールを攪拌機や振動装置に設置し、高さ5g35分間、55~200HZ帯域の振動を3軸方向に加えます。振動や共振については0.06インチ高さから5分間継続的に確認します。10~55Hzの低周波数で1分間スイープし、全方向に2時間テストします。

 

振動テスト - スィープ時のサイン波のゆれ

同様に、35gの衝撃テストを行います。モジュールを振動システムに設置し、35gの高さから6ms3軸方向の衝撃テストを行います。

 

衝撃テスト

最後にユニットを1mの距離から落下させ、衝撃を与えた後に正確に機能するかを確認します。

浸水、粉じん、汚れの侵入

HBMでは2段階でテストを行っています。IP65およびIP67のテストでは、微細なタルク粉末を循環させたハメチカルシールの粉塵槽内部にモジュールを置きます。真空ポンプを使ってモジュール自体が周囲気圧以下になるように設定します。結果として粉塵の侵入は一切見られませんでした。

IP65の場合、次に行うのは高圧ノズル噴射を使った長時間の防水テストです。IP67ではさらに、水深1mで24時間浸水させ、水の侵入が一切ないことを確認します。

IP防塵テストの様子


電磁波干渉および免疫性テスト

船舶のレーダによる影響を除き、QuantumXシリーズ耐環境性モデルのターゲットアプリケーションでは、磁場環境でのテストは要求されていません。HBMではしかしながら、電磁波干渉をEN61326に基づくテストをしており、EMCおよび低電圧指令に関するCEマークを取得しています。

追加的な環境要件にも対応

HBMのQuantumXシリーズ耐環境モデルは、従来必須とは考えられていなかった追加ガイドラインの要件についても細かくテストされています。

例えば:

  • 気圧(高度)が低い場所(使用被膜が低気圧や真空環境ではテストされていないため)
  • ケミカルや液体、塩分が存在する場所
  • 直射日光の当たる場所
  • 磁場のある場所
  • 爆発性雰囲気

    可燃性雰囲気

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苛酷な計測環境に対応する堅牢DAQ

QuantumXシリーズ 耐環境性モデル

QuantumXシリーズ 耐環境性モデルの詳細を見る (MX840A, MX410, MX1601, MX460)

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