ベンディングビーム型ロードセルは、肥料製造に理想的な重量センサです。

2種類以上の材料を混合する生産工程では、ほとんどの場合、材料の容積より重量を基準にするほうが、より高い精度が達成されます。通常、ロードセルが使用されるのは、計測精度だけでなく、その安定性、耐久性、過酷な環境への対応能力があること、また、コンピュータ制御の自動生産システムに対応できるからです。水溶性肥料の主要メーカーの1つであるPlant Marvel Laboratories社の場合、ベンディングビーム型ロードセルは理想的な重量センサであることが証明されました。

米国イリノイ州シカゴ・ハイツに本拠を置くPlant Marvel社は、最大手の水溶性肥料メーカーの1つで、最も長い歴史をもっています。1922年に設立された同社は、温室栽培、苗の育成、野菜生産工場、ゴルフ場の芝生など、広範な用途に使用される水溶性肥料の開発において先駆的な役割を果たしました。

Plant Marvel社製の肥料Nutriculture®は、残留物を残すことなく水に完全に溶解し、最も目の細かいノズル噴射器やスプレー装置でも使用できるように設計されています。肥料のNutriculture®は、総合的な栄養価が非常に高く、通常約60%〜70%またはそれ以上です。Plant Marvel社は50種類以上の肥料を在庫していますが、顧客の特定のニーズに合わせてカスタムブレンドも行っています。同社の肥料は、あらゆる主要作物に世界中で使用されています。

1999年5月、Plant Marvel社は継続的にビジネスを成長させ、特に絶え間なく変化するカスタムブレンドの需要増加に対応するために、生産能力を高めることが不可欠であると判断しました。

同時に、製品規格に従って高品質、純度、品質の安定性を確実にするには、高い計測精度を保つことが必要であると判断しました。同社の製造プロセスで計量精度が重要な理由は、一つの製品を製造するのに、約30種類の成分を様々な量で調合しているからです。成分量を間違って調合した場合、最終製品は製品ラベルに記載された仕様を満たせなくなります。

さらに悪いことには、お客様の機器を詰らせる粘着性汚泥を発生させる可能性があります。これらの理由から、Darryl Slater氏(Plant Marvel社の副社長兼工場長)は、生産能力の増強と同時に工程全体を自動化したいと考えて、システムの概要を作成し必要な構成要素を調べ始めました。

Slater氏の基本計画は、各タンクにさまざまな成分を貯蔵する2列のプラスチック製タンク群で構成されています。2列のタンクの間に計量装置が配置され、その上に置かれた大型計量ホッパ(「トート」と呼ばれます)にタンクからスクリューフィードで各成分が投入されます。目標重量にトートが達すると、スクリューフィードは停止し、トートは次の成分を受けるために次のタンクの位置まで移動します。プラスチック製タンクの各成分は、単にタンク内の原材料の高さを一定に維持する方式で、自動または手動式で再充填されます。

トートはタンクの列に沿ってレール上を移動し、成分を1つずつ受け取っていきます。

最後の肥料成分が計量・投入されると、トートはブレンディング部門に移動し、ミキシング工程終了後、混合肥料がバッグに充填されます。さまざまな業者と相談した結果、重量法によって成分量を計測することが、最善であることが確認されました。コンベアシステムでの実績があったので、HBMが選択されましたが、HBMロードセルの特性がPlant Marvel社の要求仕様に対応していたことも理由の一つとなりました。

その特性には、腐食に強いステンレス構造、過酷な腐食性の洗浄液が使用可能な密閉構造、ダブル・トリプル桁の精度、さらに、新システムに容易に搭載できることなどがあります。

HBMの計量技術担当ビジネス開発マネージャは、問題を解決する提案を数多く提供し、そのうえ、さらなる改善への扉を開きました。また、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)システムのプログラミングや自動化技術に関する深い経験を使用してプロジェクトに貢献しました。混合用ホッパ(トート)の重量や寸法、コンベヤシステムの構造、操作シーケンス全体などのすべての詳細が、検討されました。その検討項目には、システムと部品の寿命、高い信頼性、精度、速度、および柔軟性をなど、一般的なアプリケーションの技術上の問題点も含まれています。

HBMとPlant Marvel社は共同で、完全自動化システムのための徹底した機能仕様書を作成しました。機械的なコンベア装置に関する最終的なエンジニアリングが完了した後に、バッチシステムの容量が決定されました。最も一般的に使用されるレシピの処理に適したセンサを選択する方針に基づいて、主要成分および添加物に対応した適切なロードセルが選択されました。精度と耐久性の要件に合わせて、HBMは生産システムの計量コンポーネントとして、ベンディングビーム型ロードセルZ6を推奨しました。

その卓越した精度(OIML R 60 による精度クラス)に加えて、ロードセルZ6は肥料製造ラインの過酷な製造環境に対応しています。付属品のZELエラストマーフレックスマウントは、センサが大量の振動に耐えることを可能にし、ロードセルとそのマウント全体が堅牢で洗浄可能なステンレス鋼で構成されています。

Plant Marvel社は、現在、Ethernetを使用した制御システムでバッチ式の生産工程全体を自動化しています。この生産ラインでは、各装置が動いている最中に精密なダイナミック計測をする機能が必要です。また、当然ダウンタイムは最小限に抑える必要があります。システムは、7つの計量・投入ステーションを使用して肥料成分を投入します。

指定の成分は、連続運転で大きな4 x 4フィートのトートに順次投入され、最終的な混合および袋詰をする工程に移ります。

トート(メタルフレームとプラスチック製のホッパ)は総重量160 Kgです。トートは各計量・投入ステーションで肥料成分が追加され、そのたびに計量されます。

主要成分の計量・投入ステーションには、4台の密閉型ベンディングビームロードセルZ6FD1が取り付けられています(ステーションの両側に2台ずつ)。センサはすべて、振動の影響を最小限に抑えるために、ZELフレックスマウントを使用して設置されています。ロードセルの最大容量は500 kg(ロードセル1個あたり)で、荷重に応じて様々な容量が選択できます。混合割合が少ない添加物は低容量のタイプを使用します。ロードセルは、6線式(環境とトランスミッタまでの距離に依存)を利用し、ロードセルの並列接続に最適化されています。

各ステーションには、ロードセルによって収集された情報をコンピュータに送信するサーフェスマウント型HBMモデル4800送信機が装備されています。このトランスミッタは、NEMA 4 エンクロージャ内に設置されており、DC 4-20 mAの出力を持っています。このトランスミッタには、350 Ωロードセルを4台駆動できる励起用電源を内蔵しています。

肥料の各成分は、生産ラインのレール上に設置されるトートに順番に投入されます。トートは4つの車輪(両側にそれぞれ2つ)を持ち、レールに沿って走行します。レールには光エレクトロニクスと各計量ステーションの下側にロードセルを組み込んであります。各ロードセル・セットの上側に、荷重を受ける浮動した状態で独立して動くレールが設置されています。ロードセル(計重セル)本体は、固定された金属ビームに設置されています。トートは、プログラムされた位置に正確に停止します。所定量の肥料成分がトートに投入されます。

各計重・投入ステーションでは、トートと肥料成分が一緒に計量され、所定の重量に達すると、投入が停止し、トートは次のステーションに移動して次の肥料成分を受け取ります。使用しない成分のステーションはスキップします。肥料成分の投入と同時に計量が始まるので、ロードセルは計量値をコンピュータに送信します。

この生産ラインには6つの計重・投入ステーションがあり、それに加え、7番目のステーションでは、2つの計重機(ファンネル付き)を持つ小型の走行トロリーから材料が取り出します。上側の計重機は、1ポンド未満の成分用で、下側の計重機は50 ポンドまでの成分用です。

両方のタイプの成分が必要な場合は、すべての成分は、上側の計重計を通過して下側の計重計に投入されます。上側と下側の計重計は、それぞれ2台のロードセルを使用しています。ファンネルの底部はスライド式ゲートになっていて、様々な微量元素は全てをファンネルに収集したした後に、トートへ投入されます。レシピ内のすべての原材料がトートに集積された後、そのトートはフォークリフトによってミキシング工程に搬送され、そこで混合工程終了後に袋詰めされます。

システムの最初の構想は、オペレータが各トートにレシピを手動で投入する半自動方式でした。しかし、HBMロードセルのアンプボードから4〜20 mAの計重信号が出力されているので、その信号を受け取り処理するソフトウェアを使用して、プロセスの他の領域も自動化できることは明らかでした。

工場長のSlater氏は、システムの各構成要素をまとめてリンクできる自動化プログラムを検討しました。主要な検討事項は、必要が生じた時点で変更や拡張が可能なことです。同氏はEntivity社の「Think and Do Studio」をプログラムに選びました。理由は学習が容易で、現在使用中のAutomation Direct社の電子製品でサポートされていたからです。またPlant Marvel社は同社からPLCの供給を受けています。Automation Direct社は、タッチスクリーンモニタ、モーター制御、センサ、さらにはフィードスクリュウを制御するVFDなどをはじめ、多くの電子製品を供給しています。

このソフトウェアは、ロードセルZ6のアンプボードからの出力を処理して、重量が目標に近づくにつれて、VFDを介してスクリューフィードモータを低速度に切り替えるように設定しています。目標重量を達成しスクリューフィードをオフにした後、ソフトウェアは、原材料の自由落下が最終的に落ち着くのを待ってから、2度目の最終的な計重を行います。

ソフトウェアは、この最終値を目標重量と比較し、過不足がある場合、過去3回の投入結果と合わせて平均化し、次の投入目標重量を調整します。トートの作業オーダ番号を使用して、各トートのすべての重量情報はシステムによって記録されているので、書面による記録が必要な場合は印刷できます。

社内LANに接続されたPCのタッチスクリーン式画面には、生産システムの概要をグラフィカルに表示しています。このシステムはさらに開発され、完全に自動化されました。この全自動システムは、Plant Marvel社のスタッフにより、「Batch-a-tron」と命名されました。各バッチの作業オーダは、同社の既存のソフトウェアを使用して入力します。特別なカスタムブレンド、顧客の新規要求や変更は、受注時にオフィスで処理され、システムに保存されている作業オーダの一部になっています。

顧客が要求するバッグの数に基づき、注文を完了するのにちょうど十分な原材料をトートに供給するように設定できます。この機能は、注文が非在庫品である場合に特に役立ちます。作業オーダは印刷され、生産処理のために生産担当者に手渡されます。ここで、作業者は作業オーダ番号をBatch-a-tronシステムにタッチスクリーンで入力し、作業オーダをトートに貼り付け、トートをレールの出発場所に搬入します。
システムは、次に、作業者が入力した作業オーダ番号を使用して、LAN経由でその特定のトートに必要な成分データを確認します。

オペレータが、正しい作業オーダがオンラインになったことを認証すると、システムは自動的にトートを計重・充填ステーションからステーションへ移動させ、全ての材料をトートに投入します。その後、トートは混合・袋詰工程に移動されます。複数のトートを連続して投入することができます。それぞれのトートは、異なる作業オーダ番号に従って独自の成分を受け取ることができます。

最終的に、Plant Marvel社は、HBMのロードセルZ6が、生産ラインの歩留まりを向上させ、移動中の材料の重量計測を正確に行える事を確認しました。ロードセルZ6は、重量計測をより早くより正確に行います。

この組み合わせにより、不良品の発生を最小限に抑えられます。HBMのロードセルは、製造ラインに簡単に設置することができ、稀に障害が発生したとしても、ほとんど製造工程を中断することなく簡単に交換できます。さらに、ステンレス製の密封構造は、肥料製造工場の環境により起こりうるあらゆる難題に耐えることができます。また、大量の振動を吸収するZ6の能力は、重要な特長です。

EntivityのソフトウェアとHBMのロードセルからの出力を組み合わせることで、Plant Marvelは初期の構想を超えたシステムを構築することができました。

Darryl Slater氏によると、「夢のシステム」を実現できました。システムがオンラインになってから 1年近くたちますが、システムは完ぺきに機能しています。

同社は、すべてのバッチをテストするきめ細かな品質管理を行っていますが、新しいシステムが稼働して以来、ほとんど不良品は発生していません。ロードセルを使用して重量計測を行い、Ethernet使用してシステムを完全自動化することにより、Plant Marvel社は従来に比べて生産スピードをほぼ3倍に向上させ、より厳しい品質管理を維持することができました。

本文は、powderbulksolids.com に掲載されています。

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