過負荷防止 - 優れたロードセル保護

ところが、ロードセルの精度クラスは、その最大許容荷重を基準としています。絶対計測誤差は最大許容荷重に比例するので、要求される計量精度や、計測対象の最小部分のサイズに合わせて、ロードセルをどこまでも大きくするというわけにはいきません。

ロードセルに最大許容荷重までの負荷をかける必要があるときには、常に過負荷のリスクが存在します。したがって、特別設計の過負荷防止にかかる出費は、建設的なものとして必ず正当化できるはずです。以下に、ロードセルを保護するために過負荷防止を施す必要がある典型的なケースを示します。

  • ロードセルの最大許容荷重が判明していない時
  • 落下する製品を計量する(パルス負荷)場合など、強力な動的荷重が予想される時

機械的保護を備えたロードセル

最大許容荷重が比較的小さなロードセルは、大きなロードセルと比較して過負荷になる頻度が高いことは明らかです。例えば、最大許容荷重 20 kg のロードセルは、レンチを落としただけでも簡単に破損します。


個別のロードセルに対して過負荷防止を実装することも可能です。図 1 は、HBM 製の Z6 型ロードセル用の過負荷防止の設計案を示したものです。この場合、機械的保護がロードセルのたわみや移動を制限しています。


データシートのデータの公称変位は定格荷重におけるロードセルの変形値を示しています。ロードセルのタイプおよび最大荷重範囲に依存する移動の可能性は、ロードセルの過負荷を予防するため、機械的保護によって公称(定格)移動の 120〜150% に制限されています。


ここでは、距離ゲージを使用してストッパを調整します。記載されている変形値は非常に小さいため(1/10 mm の数倍程度)、調節をする際には、張力をかけることが可能な細目ネジが役立ちます。また、ロードセルとストッパの間の隙間が汚れていると、移動が制限され計測誤差を引き起こす可能性があるため、この隙間が汚れないよう保護する必要があるでしょう。
ロードセルを支える構造体が柔らかいときには、データシートに指定されている値とは

異なる変位が発生する可能性があります。取り付け板が曲がり、過負荷防止装置が早めに作動してしまうことが多いのです。この場合、ロードセルとストッパの間の隙間を広げる必要があります。そうしておけば、まず計量装置に最大許容荷重をかけてから、機械ストップとの間に残っている隙間を 0.05〜0.1 mm に設定することが可能になります。

Overload protection using the HBM load cell type Z6 as an example

あらかじめ張力をかけたばねパッケージ

あらかじめ張力をかけたばねパッケージを利用して、力の流れに沿って組み込むことで過負荷を防止する方法もあります(図 2)。最大許容荷重が特定値を超えると、圧縮されたばねが(適切な構造体を経由して)機械的保護に力をかけるという構造です。

こうしたタイプの過負荷防止では、ギャップがかなり大きくなるので、許容負荷の設定がしやすく、信頼性が上がります。さらに、ばねの特性により、パルス負荷が原因でロードセルが損傷するリスクを大幅に低減します。こうしたばねパッケージは汚れても誤差が発生しづらいので、アプリケーションによらず、他の過負荷防止方法よりも、製造コストや材料コストの判断がつきやすくなります。


 

Overload protection of a type C2 load cell with a spring package

輸送中の保護装置

計量技術システムを輸送する際には、適切な保護装置を設置して、ロードセルを保護してください。輸送中の振動で部分的に大きなパルス荷重が発生し、ロードセルが破損する可能性があります。できれば、ロードセルは、現場にシステムを設置する段階で取り付けてください。この場合、システム内のロードセルを取り付け位置には、プレースホルダーを挿入しておく必要があります。ロードセルと同じ大きさのダミーを用いるとよいでしょう。ダミーが使用できない場合は、厚いシートメタルをフォースシャントとして使用することも可能です。

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