HBMの光ファイバーセンサシステム(光学式ストレインゲージ)(Fig. 3)は、まず最初に、油圧式アクチュエータを使用して負荷荷重を与える、ATDのカナード翼の構造試験に使用されました。また18チャンネルの光ファイバーセンサを使用したカナード翼に対する衝撃損傷の影響をモニタリング(Fig. 4)することも、プロジェクトの目的の1つです。研究者たちは、新しい主翼構造のための、光ファイバーセンサを使用した健全性診断システム(HMS)の開発にも力を入れています。
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Fig. 4:衝撃のレベルおよび位置のモニタリング例
電気式ひずみゲージではなく光ファイバーセンサを使用したのは、爆発のリスクを最小限に抑制しながら、懸念される電磁ノイズ(EME)が結果に影響を及ぼさないようにするためでした。応力計算に必要な範囲をカバーするため、合計20個の光ファイバーセンサを主翼上に分散して配置しました(Fig. 5)。
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Fig. 5:ひずみ値のモニタリング表示、および事前のFEA解析結果によって推測したひずみの分布状況
このプロジェクトに携わる研究者達は、HBMのパッチを使用した光ファイバーセンサの取り付けを行うことで、標準的な電気式ひずみゲージの取り付けと比較して大幅に時間を節約できました。光ファイバーセンサは、構造体を対象とした動的試験と静的試験の両方に適しています。
さらに研究者達は、HBMのMGCplusシステムに同社製のDI410光ファイバーセンサインテロゲータ(最高1,000計測値/秒の性能を備えた4チャンネルデバイス)3台を組み合わせ、さらに最大320箇所までの光学計測ポイントを接続するために、2台のHBM製M416マルチプレクサも使用しています。これにより、完全に同期した計測をリアルタイムで行えます。データの取得と解析には、全デバイスに接続されているHBMのcatman Enterpriseソフトウェアを使用しています。