光ファイバセンサを使用した航空機複合材構造用構造健全性診断システムの研究

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、複合材を使用した新開発航空機の構造健全性を調査するに当たり、HBMのデータ取得技術に大きな信頼を寄せています。中小型ジェット旅客機を対象としたこの研究は、東京都および首都大学東京(TMU)との共同プロジェクトの一環として実施されています。

JAXAでの研究は、先進複合材の材料と構造の開発に加えて、こうした次世代航空機に使用するスマート技術の開発にも重点を置いたものです。首都大学東京は、JAXAとの共同研究と並行し、将来有望な航空電子工学の進展も視野に入れた研究をおこなっています。

この研究が関わる2つのフェーズの両方で、その試験にHBMの機器が使用されています。まず2011年に実施されたフェーズ1では、最大8人乗りのビジネスジェット機用の先進技術実証装置(ATDの開発を行いました。

2012年に実施されたフェーズ2では、120人乗りのリージョナルジェットの開発が研究対象となりました。ATDのカナード翼(Fig. 2)での試験が成功した後に、長さ約5 mの主翼に対応するため、より大きな複合材構造を製作し、航空機の主翼内にある燃料タンクの整合性を検証するための静強度試験を実施しました。

Fig. 2:ATDの機首部分の実物大模型
Fig. 3:カナードトルクボックスの上面パネル縫合複合材スキン上におけるFBGセンサの設置

HBMの光ファイバーセンサシステム(光学式ストレインゲージ)(Fig. 3)は、まず最初に、油圧式アクチュエータを使用して負荷荷重を与える、ATDのカナード翼の構造試験に使用されました。また18チャンネルの光ファイバーセンサを使用したカナード翼に対する衝撃損傷の影響をモニタリング(Fig. 4)することも、プロジェクトの目的の1つです。研究者たちは、新しい主翼構造のための、光ファイバーセンサを使用した健全性診断システム(HMS)の開発にも力を入れています。

Fig. 4:衝撃のレベルおよび位置のモニタリング例

電気式ひずみゲージではなく光ファイバーセンサを使用したのは、爆発のリスクを最小限に抑制しながら、懸念される電磁ノイズ(EME)が結果に影響を及ぼさないようにするためでした。応力計算に必要な範囲をカバーするため、合計20個の光ファイバーセンサを主翼上に分散して配置しました(Fig. 5)。

Fig. 5:ひずみ値のモニタリング表示、および事前のFEA解析結果によって推測したひずみの分布状況

このプロジェクトに携わる研究者達は、HBMのパッチを使用した光ファイバーセンサの取り付けを行うことで、標準的な電気式ひずみゲージの取り付けと比較して大幅に時間を節約できました。光ファイバーセンサは、構造体を対象とした動的試験と静的試験の両方に適しています。

さらに研究者達は、HBMのMGCplusシステムに同社製のDI410光ファイバーセンサインテロゲータ(最高1,000計測値/秒の性能を備えた4チャンネルデバイス)3台を組み合わせ、さらに最大320箇所までの光学計測ポイントを接続するために、2台のHBM製M416マルチプレクサも使用しています。これにより、完全に同期した計測をリアルタイムで行えます。データの取得と解析には、全デバイスに接続されているHBMのcatman Enterpriseソフトウェアを使用しています。

HBMの機器を使用することで、包括的な構造解析簡単に行えます。解析ソフトウェア高速計算の実行能力と構造変形のグラフィック表示能力を備えており、これらを利用することで航空機構造の初期故障を予測できるようになりました。

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