AEスパイクと砂粒変形の関連付け
実験では、HBMのGenesis HighSpeedポータブルデータ収集システムを使用してAEデータを取得しました。HBMは、センサ、変換器、ひずみゲージ、アンプ、データレコーダ、データ収集システム(DAQ)といった試験・計測アプリケーションのソリューションに加えて、構造耐久性解析のソフトウェアも提供しています。
まず、砂を中空の円筒に入れ、AEセンサ(圧力波を電気信号に変換する圧電型デバイス)を材料の境界部分に配置しました。AEセンサは、Genesisに電圧を送るチャージアンプに取り付けました。
爆発力を再現するため、円柱状のロッドで砂を押して圧縮しました。与えた圧力によって粒子は変形し、一部は実際に破砕しました。これにより生じるAEイベントはサブミクロンからmmの規模であり、10kHzから数MHzの範囲の周波数を持つ信号が発生しました。
また、円筒の外側も圧迫し、データ収集システムに接続されたひずみゲージを使用して横方向の変形を追加AEデータとして計測しました。ひずみゲージは、直流10Vの電源が供給されるホイートストンブリッジを使用してGenesisに接続しました。信号は、信号増幅器で増大させました。信号増幅器からの電圧は、別の回路を経てGenesisで変換しました。10MS/sという高速のデータサンプリング速度でも、データ収集システムの表示は正確で高解像度でした。システムに内蔵の10xアンプ/コンディショナも、高品質データの確保に役立ちました。
次に、Genesisで表示されたAEの周波数スパイクを、砂粒の変形と破砕した砂粒の数に関連付けました。その結果、2つの完全に異なる現象を示すデータが特定されました。滑り合う砂粒は低周波で低振幅の音を出し、粒子の破砕は高周波で高振幅の音波を出していました。