トルク変換器の入力値と出力値の関係は、実際には、正確な直線ではありません。変換器の信号を変換するためには、測定信号に比例した出力値が必要なので、変換器が持つ特性曲線はフィッティング関数を使用して直線に近似させます。

原理上、変換器が持つ特性曲線を決定するには2つの方式があります。第一にはDAkkS(ドイツの認定機関)基準に準拠して行った検査証付きの校正値を使用する方法があります。第二には、レバーアーム式デットウエイトや標準トルク変換器を使用して現場の駆動トレインの中でキャリブレーションを行う方法です。このように決定されたデータポイントにより測定チェーンの2つのコンポーネンツ(トルク変換器とTIM-EC EtherCATインタフェースモジュール)の利用が理想的です。

特性曲線の近似

特性曲線の近似を行うには様々な法則がありますが、ガウスの最小二乗法を使用するのが一般的です。測定値と真値からなるデーダポイントを分析して特性曲線の近似式を決めます。これはドイツ工業規格のDIN51309 や VDI/2646により推奨されている方式です。近似式としては直線をもとめているので、線形回帰による近似方式が使用されています。

図1: データポイントを通る線形回帰直線の例

特性曲線はデータポイントを正確には通っていないうえ直線ではありません。しかし、トルク変換器では特性曲線が取れるので、線形関数による直線化が非常によくできます。

y = f(x) = m•x+b

未知の傾き係数m は、n個の測定点(xk, yk) に線形回帰の式を当てはめて決定します。図1は理想的直線y = f(x) = m•x+b からの測定点の距離Pk = (xk,yk) は以下のように表せます。

ガウスの最小二乗法は測定値(xk,yk) より得られた偏差の二乗の総和skが最小になる係数mを求めるのに使用されます[1]。

これは係数に関する偏微分を計算して得ることができます。

 

係数m、つまり理想的直線の傾き、は以下のように計算できます:

TIM-EC EtherCATインタフェースモジュール

TIM-ECは上に述べたガウスの最小二乗法を使用してセンサの特性曲線を直線近似させるのに使用され測定値と真値(Nm)は、現場のテストベンチを使用してレバーアーム式デットウエイトマシンや標準トルク変換器を使用した静的な測定によるキャリブレーションから決定することができます。さらに、ドイツ工業規格DIN51309やVDI/VDE 2646に準拠したキャリブレーションにより導き出された特性曲線の線形化公式y = f(x) が、ウエブ経由でキャリブレーション認定書に直接アクセスして入手できます。これにより、多数のキャリブレーションポイントのデータにおけるデータ転送エラーの可能性の排除や入力の時間の節約になります。また、トルク変換器の製造番号を照合することにより、使用中のトルク変換器とキャリブレーションに明確な関連があること確認できます。トルク変換器を交換するときには、自動的に製造番号が送信されキャリブレーションが正しいか確認がとられます。製造番号(=接続中のトルク変換器の特性曲線)が一致しない場合には、変換器に記憶されている特性曲線を無効にして警報を発します。トラフィック信号機能により、接続したウェブサーバ上で明確に可視化しています。図3参照。さらに、EtherCATよりのエラーフラグが制御や自動化システムに対してセットされ分析されます。

図2: TIM-ECを使用したデータポイントの直線近似
図3: TIM-ECエラーコード処理

まとめ

 

TIM-ECインタフェースモジュールは、最大20 kHzまでの周波数範囲と最大25ビットの入力分解能を持つ、高機能の測定システムです。高性能です。特性曲線のデータポイントの直線近似により、トルク変換器とインタフェースモジュールからなる測定チェーン全体を最適化できます。総合診断機能(ウェブサーバ、EtherCAT)により、計則チェーン全体の状況をいつでも閲覧できます。

 

 

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