ハイブリッドのバスやトラックの駆動系システム最適化に貢献するトルクセンサ

自動車のOEMメーカーは通常、テストベンチや専用の開発施設を用いて自動車エンジンの開発を行います。ハイブリッド技術が車両設計においてますます重要な役割を果たす中、OEM各社も自社施設をハイブリッドバスやトラックの摺動システム開発に利用するようになりました。ハイブリッド摺動システムの構成部品には、クーラントを使うインバータ、パワー対重量比が高いエアコンのインダクション・モータ、ドライブシャフトに直付されるリダクションギア、トラクションやブレーキングのためのリアアクセルなどが含まれます。

 

こうしたシステムで電力を効率よくコントロールするためには、電動モータや駆動系システムの回転スピード(rpm)やトルクといったパラメータを精度よく計測する必要があります。テストベンチはバッテリのシミュレータ、周波数インバータ、電動モータ、ダイナモメータ、データ収集システム(DAQ)、通信インタフェース、さらに遠隔操作室に設置されたPCで構成されます。ダイナモメータはシステムに抵抗を与えるもので、電動モータが路上走行で経験する実際の路面の状況をシミュレートしており、エンジニアは実際に路面走行をする必要はありません。燃焼系のガソリンエンジンをテストする場合は機械信号をメインに収集すればよいのですが、電動モータの場合は電気信号も計測する必要が出てきます。

 

非効率なトルクや回転スピードの計測

従来、電動モータや駆動系のトルクや回転スピードを計測する場合、ダイナモメータ上にモータ回転用のベアリングを使って電動モータ(大型)を取り付けていました。ダイナモメータにはロードセルと、トルクのオフセットアームが取り付けられていました。テストエンジニアが、車両ドライブをシミュレートするために、あらかじめ設定したドライブパターンで車両を運転し、インバータが一定量の電流をモータに送り、モータが回転するというものです。オフセットアームがロードセルを押し下げ、力(モータがスピンしようとする力)を遠隔で計測します。例えばオフセットアームが1m離れた場所で、1000Nの力で押し下げられると、システムは1000Nmのトルクを生成します。

こうしたアプローチで問題になるのは、計測データの細かなデータの変化が機械的なノイズにより見えなくなってしまうことです。ハイブリッドの駆動系システムの回転は非常に高速で、標準ガソリンエンジンの駆動系が6,000rpm程度であるのに対し12,000rpmほどにもなり、乗用車のガソリンエンジンでは通常発生しないレベルの高周波信号が発生します。ロードセルからの信号は一見良好に見えても、実際のところ信号は大きく暴れています。駆動系が実は極めてダイナミックに変化しているからです。

 

 

新たな進化系ソリューション

電動モータや駆動系、ダイナモのテストでHBMのT12を利用すれば、こうした問題は改善します。HBMからはDAQ(データ収集システム)、解析、校正用ソフトウェア、ひずみゲージ、変換器やセンサも提供されています。

トルクセンサT12は、最先端のテレメトリ技術による非接触の計測を採用し、トルクや回転スピードを検知できます。組み込み型アンプの採用により、 高品質で信頼性の高い信号を出力できます。センサを使って回転スピードやトルクを計測することにより、どの程度の速度でしいステムが可能しており、またそ の際にどれぐらいのトルクが出ているのかを把握できます。こうしたデータを得ることで、開発エンジニアはモータや駆動系が必要とするパワーを計算し、機械 的出力値を演算できます。T12の場合、ダイナミックなトルク信号を記録できるとともに、回転方向やパワー演算も行えます。DAQはトルクセンサからのデ ジタル信号とインバータやモータの電気信号を収集できます。その他にも周波数や電流にも対応します。CANやEthernetを利用したDAQへの出力も オプションを利用すればデジタル->アナログ変換も必要ありません。

センサが電動モータや駆動系のテストで生成される高周波信号を検知するため、エンジニアは通常は見えない微細データも確認でき、ハイブリッド駆動系 システムの設計を改善できます。必要なトルクを出すためにはどの程度の電流が必要なのかを、想定値ではなく明確な値として決定できるため、ハイブリッドシ ステムの適正化が可能になります。しかもトルクセンサT12は非常に堅牢な設計で、メンテナンスはほとんど必要なく、開発が効率よく進みます。

電動モータやインバータの効率を改善

さらにHBMでは、電動モータやインバータのエネルギー効率化を図るためのソリューションを提供しています。トルクセンサT12と高分解能データ収 集システム(DAQ)Genesis HighSpeedシリーズにより構成されるこのソリューションはダイナミックに変化する電気量や機械量を同期して収集できます。生データをHDDに連続 取り込みできるため、リアルタイムに解析を行いパワーのオン・オフやエネルギー変換効率を決定できます。詳細はeDriveテスティングのページをご覧ください。

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