1.ひずみゲージをベースにした力センサ

ひずみゲージ(SG)を組み込んだ力センサが広く使用されています。 設置環境が悪くとも信頼性の高い運用ができるのが特長です。筐体の設置に関しては、力センサ | 力変換器の設置 に解説してありますのでご参照ください。 ここでは、電気的な配線について述べます。ひずみゲージをベースにした力センサは、いわゆるホイートストンブリッジ回路を使用しています。このブリッジ回路は4個の抵抗からなり、以下に示すように結線されています:

全てのストレインゲージへ、ブリッジ印加電圧Ubとして適切な電圧が供給されることが必須となります。印加電圧Ubはアンプシステムより供給され、典型的な電圧は2.5~10 Vです。

各力センサに対する正しい値はデーターシートに記載されています。「印加電圧の運用範囲」の項をご覧ください。

上の回路図が示すようにホイートストンブリッジ回路の使用には配線4で十分です。2本の線で電圧を供給し、残り2本が計測結果を電圧の形でアンプに送ります。

参考情報:

参照印加電圧とは、技術データの決定に際して、センサに供給される電源電圧です。

印加電圧の範囲とは、力センサが仕様値を保証できる、ブリッジ印加電圧の許容変動範囲です。

ブリッジ印加電圧が設定限界を超えると、力センサ内のひずみゲージや抵抗が過度に加熱するため、個々のパラメータ(感度、感度の温度係数)が変動します。印加電圧が限界を超えない場合は、試験や生産のアプリケーションにおいて、変動は無視できる範囲に収まります。

印加電圧の下限値は、実験データから得られます:印加電圧「ゼロ」の試験は実行することができません。

高精度計測 (基準計測チェーン)では、一般的に、センサの校正証明書に書かれているブリッジ印加電圧を使用することを推奨しています。さらに、計測チェーン(センサと電子回路を一緒にシステムとして校正したもの)を使用することで良い結果が得られます。

2. ひずみゲージ式センサの正確な出力電圧は?

センサの正確な公称(定格)感度は試験証明書に記載されています。公称(定格)の力を加えたときに、この感度は概ね2mV/Vになります。

上で述べたように、アンプシステムが、計測ブリッジに印加電圧を供給します。このブリッジ印加電圧は通常5Vです。 センサの公称(定格)感度が2mV/Vであるとすると、力センサが公称(定格)値相当の負荷を受けているときには、アンプへの入力ステージでは10mV となります。例えば、S2M/100 N (公称(定格)力100N、公称(定格)感度2mV/V) にたいして、100Nの負荷をかけたとき、10 mVが出力電圧となります。

一般的には、計測値は必ずしも100 Nではありません;より小さな値も計測可能であるべきです。計測信号の分解能を、0.1Nにしたい時は、入力ステージでは10µV となります。

お使いのアンプが100,000分割の場合、その割合は、エッフェル塔(321メートル)の高さとCDケースの厚さとの比率に相当します。 しかし、HBMのDMP41などの高精度計測器が提供は、さらに高い分解能を持っています。

計測業務がどんどん複雑化するにつれて、非常に高いレベルの性能が求められます。配線部分の品質が良ければよいほど、計測結果は信頼性の高いものとなります。

3. 4線式センサ

ひずみゲージ式の計測では、最低4本の配線が必要です。多くのセンサが4線式回路で動作しています。この構成を以下に示します。

配線抵抗が電源の配線に描かれています。配線抵抗が無視できないものであることを示すためのものです。

 

参考情報:

力センサは4線式回路で動作しています。以下のパラメータを仮定すると:

  • ブリッジ抵抗:  350 Ω
  • 銅線: 断面積0.14 mm²
  • 設定抵抗値: ρ = 0.0178 Ω⋅mm²/m

これにより、銅線の抵抗が計算できます:
配線抵抗は、ケーブル長5m(往復の配線で)の時1.272Ωで、50mの時 12.72Ωs となります。

計測ブリッジと配線は、それぞれが分電圧を持つので、ケーブルでも電圧降下が起きます。このため、ブリッジ回路にかかる電圧が、この分だけ小さくなるので、結果として出力信号も小さくなります。これは感度ロスにつながります。

この感度ロスは配線長5mの時 0.36%で、50mの時3.6%に増加します。これらの変動要因は校正で補正できます。つまり、試験成績書や校正証明書に記載されている感度は、センサ本体と付属している配線の両方に対して校正を行った結果得られたものです。

銅線ケーブルの抵抗は温度に依存し、温度上昇に伴って抵抗が大きくなり測定ブリッジに適用される電圧が低減します。これはセンサのバランスをとるときに調整されています。必要に応じて、センサごとに異なるケーブル長を用意しています。

HBM4線式力センサは、付属ケーブルを含んだ状態で校正されています。すなわち感度はケーブルの最終端で正しく調整されているので、ケーブルを切断すると感度が変化します。正しい校正状態を維持するために、ケーブルは切断しないことをお勧めします。

試験成績書に指定されている感度を入力してください:

 

試験成績書には多くの情報が提供されています。感度はアンプの設定上重要な値です。例:U93/1kn力センサ

なおアンプまでの入力ケーブル長は考慮する必要がない場合があります。アンプが高抵抗の入力ステージ使用している場合は、配線の電圧降下は無視できます。

4. 6線式センサ

 

6線式回路を使用しているセンサは多数あります。これらはブリッジ印加電圧制御用のリード線を2本追加しています。ケーブル抵抗が温度影響やケーブル長により変動すると、もとの電圧設定値に達するまでアンプ出力が再調整されます。

この回路の利点は、 センサの感度が影響を受けることなく、非常に長いケーブル(最大500メートル)でも使用できる点です。このため温度の変化による配線抵抗の変動は、測定結果に影響を与えません。これは配線と力センサの温度が異なる場合には特に有効です。

参考情報:

既に上で述べたように、ケーブル長は4線式回路の力センサでは変更すべきではありません。ケーブル長の変更の可能性がある場合には、6線式延長ケーブルを使用することをお勧めします。 ケーブル長を変更するときは、電圧供給リード線に加えて、ケーブル長の変更による影響をアンプで制御するために、2本の制御用リード線を接続します。

5. ケーブルのシールド

HBMの力センサは、ケーブルのシールドが常にハウジングに接続されています。そのためファラデーケージがつくられ、電磁波をブロックし、干渉を回避しています。センサケーブルを延長する必要がある場合は、ファラデーケージを維持するために、延長ケーブルのシールドにセンサケーブルのシールドを確実に接続してください。プラグへの接続は、シールドが広範囲にプラグに接触するようにしてください。

センサとアンプが異なる電位を持っている場合は、補償電流がケーブルのシールドを経由して流れるので、大きな干渉を引き起こします。理想的には、低抵抗接続(等電位化のための配線)をすべきです。16 mm2の断面をもつケーブルを使用することをお勧めします。

これが不可能な場合は、プラグ内のシールドは切断することができます。 いずれにせよこれは次善のソリューションとなります。

HBMは認証済の計測ケーブルを多種ご用意しています。低キャパシタンス、温度安定性、左右対称など、様々なご要望に応えられる計測ケーブルを提供しています。.

HBMへのお問合せ HBMやHBMの製品について「もっと詳しく知りたい」、「わからないことがある」、「こんな製品を探している」などございましたら、お気軽に下記お問合せフォームでご連絡ください。