自動車産業の近代的なテストベンチへの要求は絶えず高度化しています。たとえば、実際の現象を再現したリアルなシミュレーションにより、ドライブトレイン(駆動系) にリアルに影響を反映させることです。リアルなシミュレーションの典型的な例は、ドライブトレインの振動です。例えば、カップリングやスイッチングの過程で起こる振動だけでなく、ABSやESPなどの近代的なドライバー支援システムの使用に関連して発生する振動です。例えば、ABSやESPにより、減速や加速時に生じるダイナミックな現象を、表面状態が異なる路面上でシミュレーションします。

すべてのこれらの現象は、車両のドライブトレインに影響を与えます。これらの影響や効果を調査するためには、このダイナミックな現象をシミュレートし、計測するテストベンチが必要です。 このため、テストベンチ部品のダイナミック特性だけでなく、必然的に、試験・計測機器およびトルクと回転速度を計測するセンサ性能の両方に対して、高度な要求がなされます。

トルクと回転速度の統合

TIM-ECトルク・インタフェースモジュール

このような周波数と電圧などの通常の出力信号に加えて、HBMのトルクセンサは、固定子に、TMC(トルク計測コミュニケーション)デジタル·インタフェースを備えています。トルクセンサは、これにより柔軟に使用することができます。

周波数と電圧などの通常のシグナルとEtherCATなどの最新のイーサネットベースのフィールドバス技術の両方を通じて、これらを自動化と制御環境の中に統合することができます。統合は、モジュール方式で柔軟性の高いTIM-ECインタフェースのコンセプトを使用しています。

TIM-ECは2チャンネルのEtherCATインタフェースモジュールです。TMCデジタルトルク信号に加えて、T40トルクセンサ シリーズからのRS-422互換の回転速度信号を接続することができます。以下の計測値が、EtherCATのバス上で使用できます:

  • トルク
  • 回転速度
  • 回転角度

上記の計測値は、周期的モードで送信されます。2個のローパスフィルタ(TP1、TP2)が、トルクと回転速度それぞれに使用できます。このフィルタは互いに独立して設定することができます。

カプラ機能

TIM-ECトルク・インタフェースモジュールは、カプラ機能も提供します。T40トルクセンサ シリーズからの計測データストリームは、インタフェースモジュールのバックプレーンバス(10+2インタフェース)上に提供されます。このモジュールは、カプラ機能を引き継ぎ、他のトルク·インタフェースモジュールからでも、バスを経由でトルクセンサの計測データが利用できます。

図1: トルク計測技術 - 異なるネットワークに接続

入力されたトルク値と回転速度値は、それぞれ独立し、このインタフェースモジュールで、変換、フィルタリング、設定[s1] 、パラメータ化することができます。この構成は、トルクセンサの計測値を異なるネットワークで利用する場合などに便利です。例えば、制御や自動化するシステムレベルにおいて、完全に独立して計測値を使用する場合です。

これは、測定値が最適にかつ独立して、それぞれの測定タスク(例: 制御や自動化のために) に適応することを可能にします。この設定は、今後、複数の強力な産業用イーサネット·ネットワークの混合運用の中で、トルクセンサを使用するための前提条件となります。将来的には、この構成で、ネットワーク間のリアルタイム通信ができるEtherCATとPROFINETの両方のネットワークが、一台のトルクセンサを同時利用できるようになります。 新たな相互通信機能(TIM-to-TIM通信)は、新基準ともいえる柔軟性をもたらします。

内蔵のWebサーバを、EtherCATインタフェースモジュールのパラメータ化のために使用するので、時代に沿って、追加のソフトウェアをインストールすることが不要になります。 したがって、TIM-ECをイーサネットボード付きの標準的なPCに接続して、パラメータ化、試験、分析をすることができます。すべてのモジュールは、内蔵イーサネット·インタフェースを介して独立して構成されています。すべてのモジュールは、工場出荷時に「マスター」に設定されています。単一のデバイスとして使用する場合も、「マスター」に設定します。インタフェースモジュールは、統合されたWebサーバを介してコンフィギュレーションするときに、相互通信モードが有効になり、対応する機能が割り当てられます。

図2: Webサーバでのパラメータ化

コンフィギュレーションモードの調査

コンフィギュレーションモードの調査

マスターモード >>>>>> デフォルト

1スーパーマスターモード >>>>>>> 相互通信

2スレーブモード >>>>>>>> 相互通信

トルクセンサに接続されているインタフェースモジュールは、「スーパーマスター(カプラ)」として設定する必要があります

トルクセンサに接続されていないモジュールは「スレーブ」として設定します。

スーパーマスター(カプラ)が設定時にデータを処理してバックプレーンバス(10+2バス)上に、計測データストリームを利用可能にします。さらに、スーパーマスターとして設定されたヘッドエンドステーションだけが、接続されているトルクセンサに完全なアクセス権を持っています。これは、例えば、シャント信号はスーパーマスターによってのみトリガすることができることを意味します。スレーブは、トルクセンサとスーパーマスター(カプラ)との間の通信データストリームを受信し、文字通り「リスナー」として動作します。

まとめ

TIM-ECトルク・インタフェースモジュールは、強力なネットワークと高度に動的なトルクと回転速度シグナルとの統合をした非常に強力なシステムです。新しい相互通信機能は、トルク計測技術に、新基準とも言える柔軟性をもたらします。また将来導入が予定されている、ProfinetとEtherCATなどの異なるネットワーク・ソリューション間のカップリングは、さらに柔軟性を促進すると期待されます。

データ処理だけでなく、総合的な診断情報が、デフォルトとして、利用可能です。適切なリアルタイムハードウェアを使用することにより、TIM-EC≤20kHzのバスサイクル時間をサポートし、さらに、メッセージ待ち時間を最小化します。システムは、このように高度にダイナミックな走行と負荷サイクルのシミュレーションを実現するために必要なダイナミックスを提供しています。さらに内蔵Webサーバにより使い勝手が向上しパラメータの設定も容易になり、ソフトウェアのインストールが不要になります。

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