HBMの電気駆動ドライブ評価手法 HBMの電気駆動ドライブ評価手法 | HBM

複雑で手間のかかるテストを効率化、より正確な解析を可能にする

クリーンな電動システムが世界中でますます志向されています。洗濯機から電気自動車まで、電気駆動系システムは幅広く我々の生活に影響を与えています。その一方、メーカー各社は電動モータ、インバータ、そしてシステムの効率向上に課題を抱えています。通常性能テストや効率測定で使われる手法は信頼性に限界があります。

しかしながら、HBMの革新的な eDrive テスティング・ソリューションなら状況は違います。トルクセンサと、オシロスコープ統合のデータ収集システムで構成されるeDriveテスティングは、機械信号と電気信号を同期をとりながらダイナミックに記録できます。リアルタイム解析も可能です。

電気駆動系システム、またそれが駆動する電動モータ、インバータ、ジェネレータの根本的な改善に必要なのは信頼できるデータベースです。パワーメータは効率の計測はできますが、その解析までは行えません。パワーメータから得られる計測データは効率改善のベースにはなりません。必要とされるのは、効率損失の原因を明確に追跡できる情報です。新しい、革新的なソリューションが求められます。

不可能だったエネルギー損失の原因解析

従来、電動モータのエネルギー変換効率を確認には、エンジン入力側にパワーメータを、出力側にトルクセンサを設置する手法がとられてきました。その手法は今日もまだ健在であり、演算による電力値と電動モータの機械的出力値の差がエネルギー損失とみなされます。

しかしこの方法では、何が原因で損失が発生したかを追究できる高信頼性データは得られません。また利用する計測機器のメーカーが異なっている場合が多く、テストの前に十分な同期をとる必要があります。これは非常に時間がかかり、往々にして計測エラーにつながります。毎秒50計測値以上の非常にダイナミックなパワー計測は技術的に困難です。

また市販のパワーメータでは最終結果しかわからないという欠点もあります。様々な情報を含んだ生データこそが、効率向上に向けた基礎研究のプロセス把握と効果的なテストを行う上で必須です。

オールインワンのシステムであることの重要性

HBMが生み出したこのソリューションは効率を最高限度まで追求できるオールインワンのシステムです。データ収集システムGenesis HighSpeedトルクセンサT12HP という最強の組み合わせにより、電気駆動系システムを長期的にテストできます。エンジン特性は波形で正確に把握でき、ばらばらのメーカーのシステム間で同期をとる必要もありません。最長1時間にわたり毎秒100万個の計測値を連続して全チャンネルで収集することも容易です。また1秒間隔で数百回の計測を伴う効率マッピングもおこなえます

取得した生データは、計測中に、開発エンジニアの詳細な解析に役立ち、電気駆動系システムの効率アップに向けた設計のベースとなります。電流の空間ベクトル、d電流およびq電流、エアギャップモーメントの演算などの提供は、先行開発を進めるお客様の声に応えるHBMからの回答といえるでしょう。

トリノ工科大学のコンバータ、電気マシン、駆動系システム分野で働いている従業員として、パワエレインバータ、電気マシン/駆動システムの特性検査、同定、監視用に、HBMのデータ収集システム Gen3i を選択しました。その理由は、Gen3iが電気量と機械量を記録し保存できる点や、高速サンプリング、高精度、センサ間の遅延を考慮して完全に同期がとれる点、さらに絶縁入力などが、技術的に評価されたからです。Gen3iはパワーメータのメリットとパワフルなデータロガー、アナライザのメリットをあわせもつ製品で、電気駆動系から収集した大量のデータを計測後に処理できます。

Prof. Aldo Boglietti, Prof. Radu Bojoi, Prof. Paolo Guglielmi and Eng. Eric Armando, Polytechnical University of Turin

生データをライブで解析:すぐに結果を表示

HBMの強力な eDrive テスティング・ソリューション は、効率向上に役立つ高解像度な生データを連続収集できます。電流、電圧、トルク、回転スピードの他、システムに含まれるエンジン温度も収集できます。特に優れた点は、パワー解析に重要なすべての要素(有効値、無効値、皮相値、パワー係数など)をパワーメータ同様リアルタイムに表示できる点です。

取得データの解析も特長の1つといえるでしょう。豊富な演算機能と公式データベースは、たとえ計測中であっても同じシステム上で直接データ解析ができるほどパワフルです。今までは、演算パッケージを別に用意することで対応していました。等価回路図の決定やdq0変換をはじめ、使用できる解析の種類は事実上無制限です。結果はすぐに表示できる上、ボタン1つでエクセルにエクスポートできます。

真に頼れる、効率的なドライブトレインの解析が可能です。また、膨大な時間短縮、柔軟性が確保でき、内蔵システムの採用により演算エラー率が低減できます。