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農業機械のドライビングダイナミクス(運転動特性)評価

ケルン建設機械研究所 (KLB) は、ケルン応用科学大学における 自走式作業機械研究 課程の不可欠な部分です。ケルン建設機械研究所 (KLB) は、 自走式作業機械のドライビングダイナミクス(運転動特性)、運転安全性、運転快適性の評価と最適化を含む数多くの研究・産業プロジェクトに関与しています。

これらのプロジェクトのための建設機械ケルン研究所 (KLB) の設備には、2個のKistler社製の6分力計が含まれます。これらの機材は、ドイツ連邦教育研究省 (BMBF) のFHInvest資金調達プログラムを通じて購入されました。

図1 に示されたロードテストは、自走式作業機械のドライビングダイナミクス(運転動特性) 評価のために、これらの6分力計と追加センサーHBM社製 catman APデータ収集ソフトウェアと組み合わせて用いることで提供される可能性を示すために考案されています。

このようなロードテストの目的は、異なる運転状況下でのトラクターのタイヤパラメータ同定でした。これらのパラメータは、シミュレーション実行のために必要とされます。特に、エアボリュームの大きな農業機械用タイヤのパラメータ同定には相当な尽力が必要です。 そこで簡素なロードテストの間に車上で関連するタイヤパラメータを直接同定するために利用可能なプロセスが選択されました。

 

計測技術とソフトウェア

ドライビングダイナミクス(運転動特性)の包括的評価には、広範囲にわたる様々なセンサ機器と、計測データを収録・分析するために付随するソフトウェアを必要とします。この評価試験に用いられる計測技術の概略図を 図2. に示します。 catmanデータ収集ソフトウェア, QuantumX 計測用アンプシステム 以下のセンサが評価試験に利用されました。

  • 力, 変位, ひずみ測定のためのアナログセンサ
  • 24トンまでのホイール負荷測定用 Kistler 社製 ホイール軸力センサ 2個
  • CAN 慣性航法装置
  • CAN 速度センサ
  • ビデオカメラ

QuantumXアンプシステムをサポートすることに加えて、catmanデータ収集装置はまた、イーサネットインターフェース経由での Kistler社製ホイール軸力センサからの測定データや、USBまたはイーサネットインターフェイス経由でのビデオデータの収集を可能としています。

トラクターキャブには計測装置を置く余地がないため、図3のように計測装置は車両右側のコントロールキャビネットに置かれました。QuantumXアンプシステム、ホイール測定のために必要な車載電子機器や電源もまた、コントロールキャビネットに設置されています。 計測装置のすべては運転席に設置された計測用PCから操作されます。トラクタの外側のもう一人の人が、リモートデスクトップ接続経由でロードテスト中にこのPCにアクセスすることが可能です。

実施中のロードテストをモニターするためにcatmanソフトウェアのあるオプションが利用され、試験中の測定データが可視化されました。 ビデオ録画とともにホイール測定に不可欠なパラメータの例が図4に示されています。 この機能を使うことで評価試験は安全な距離を保った場所から正確に分析され得ます。

テスト実施

ここに示された計測技術を用いて3つの異なるロードテストが実施されました。 評価試験中、トラクタの タイヤ空気圧、 走行速度、 バラストが変更されました。

  • 片側タイヤでの障害物乗り越しによる、ランプ入力にさらされたときのタイヤ縦剛性評価試験
  • 測定されたすべりに依存した縦力評価のための制動試験
  • 横方向加速度の増加を伴う準定常円旋回試験における、すべり角と横剛性の評価試験

このロードテストを通して、シミュレーションに必要とされるタイヤパラメータと車両の運動量がうまく測定できました。 図5 にて、トラクター後輪の異なるホイール負荷に対する、すべり角 - 横力曲線の例をいくつか示します。

HBM の計測技術と catmanデータ収集ソフトウェアを用いることで、Kistler社製 ホイール軸力センサを含む様々なセンサを用いた同期データ収集のためのセットアップと操作が容易になりました。

お客様

ケルン建設機械研究所 (KLB)ケルン応用科学大学 ケルン建設機械研究所 (KLB) 

  • 工学修士 Johannes Grüter
  • 理学修士 工学士 (FH) Andreas Bogala
  • イング・アルフレッド・ウルリッヒ教授