HBM、JQAの技術協力により日本で10 kN∙m対応のトルク校正サービスを開始-校正証明書発行にかかるリードタイムを大幅短縮

HBMはこの度、一般財団法人日本品質保証機構(JQA)の技術協力を得て、日本初の最大10 kN∙m対応のトルク校正サービスを開始します。1 kN∙m ~10 kN∙mまでを完全にサポートし、精度向上に必要な「校正証明書」の発行にかかる時間を現在の2か月から10営業日以内に短縮します。

現状の課題

車両や発電システムのエネルギー効率向上に向け、動力部の精度試験はより厳しくなっています。精度試験には一般にトルクセンサが使われますが、より広範な測定範囲で高い精度が出せる製品が求められるようになりました。通常センサメーカーが提供する「精度」は、こうした判断材料としては十分でないことが多く、ユーザー側では期待した測定精度が得られなかったり、想定外の使用で故障に至るケースが報告されています。センサの精度は、温度や湿度、振動、衝撃、電磁ノイズなど外部要因による影響を受けるため、これらを総合的に判断しなければなりません。HBMでは総合精度の判断に必要な仕様をすべて自社データシートに公開し、センサの購入時に「精度」に共通のものさしを持ち込める校正証明書の添付を推奨しています。しかし証明書の発行には時間がかかり、リードタイムの短縮が望まれてきました。

HBMが日本国内で校正サービスを開始

ドイツの高精度計測器メーカーHBMはフランジ型トルクセンサのパイオニアとして、日本国内では1995年から販売を開始しました。今日まで大手自動車メーカーを中心に数多くのユーザーベースを獲得しています。同市場では厳しい開発リードタイムや高効率をめざした高精度設計が課題であり、校正証明書の添付と発行リードタイムの短縮は極めて重要です。HBMはこうした状況を鑑み、日本国内で校正サービスを提供することにより、校正証明書発行に必要なリードタイムの大幅短縮をはかります。
具体的には日本の校正サービスをリードする一般財団法人日本品質保証機構(以後JQAと表記)に、PTB(※)による精度証明を受けたトルク基準機(以後TCMと表記(Torque Calibration Machine):10 kN∙mまで対応)を貸与し、1 kN∙m ~10 kN∙m までの校正サービスを国内で完全にサポートします。

導入の概要とスケジュール

2015年11月に、HBMはJQAの中部試験センター(所在地:愛知県北名古屋市)にTCMを設置しました。同機構はトルク校正機関としてまずA2LA認定を完了し(4月を予定)、6月の本格稼働を目途に校正サービスを始めます。これによりHBMは国内最大容量の10 kN∙mまでのトルク校正を日本国内で提供できるようになり、証明書発行に必要な校正期間を従来の数か月レベルから10営業日以内に短縮します。なおTCMは、HBM製トルクセンサの校正サービスだけでなく、他社センサを対象とした校正サービスにも対応可能です。JQAは将来的にはJCSS登録に向けた準備も進め、最大20 kN∙mを視野に入れた校正範囲の拡大を計画しています。

TCMの特長

今回JQAの試験センターに導入されたTCMはビルドアップ方式のトルク基準機です。国内では物理的にアームの先端におもりを載せて校正する実荷重方式が一般的です。この方式は最も高い精度での校正を実現できますが、寄生負荷などの外部影響を受けやすく、設定の変更や保守にも相当な時間や工数がかかります。また容量が上がるとそれに応じた巨大なおもりを扱うことになり労力はさらに増します。

一方、HBMのTCMが提供するビルドアップ方式のトルク校正はこうした課題がなく、短期間で校正が完了します。しかも精度(相対拡張不確かさ)はPTBレポートにより0.04 %と、ビルドアップ方式としては国内最高であることが証明されています。今回のTCMの国内導入により、今後ビルドアップ方式のトルク校正の優位点が広く認知され、日本でも同サービスの利用が広がることをHBMは期待しています。近い将来には国立研究開発法人産業技術総合研究所の技術協力により、国内校正サービスにおける精度面での検証をさらに深めていく予定です。

なお、TCMの心臓部である参照トルク変換器にはHBMの製品が使われており、PTBにおいて定期的に再校正することによりトレーサビリティを確保します。

JQAの中部試験センターに導入された
HBMのトルク基準機TCM
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