産業用モノのインターネット(IIOT)を生産ラインの自動化に導入

生産ラインの自動化の要件は絶えず厳しくなっています。より高品質で短いサイクルタイムが要求されるようになり、多種多様な計測値を従来より速く処理する必要があります。

CPUの負荷を軽減するために、産業用の試験計測の分野でもいわゆる分散処理によるソリューションが採用されるようになりました。しかし、どの技術を採用すべきでしょうか。

最近のデータ収集技術には、高い性能と柔軟性、操作性、統合のしやすさが求められます。そのうえ、センサと計測システムは産業用モノのインターネット(IIoT)の最重要項目であり生産効率改善の鍵です。部品、生産工場、試験システムから収集されたデータに基づいて、最適化したダイナミックな生産システムを構築できます。

旧型装置を廃し新技術を導入
(画像はすべてダルムシュタット大学提供)
産業用モノのインターネットの導入ではインテリジェント自動化システムが重要な役割を果たす
生産工程に人が直接関与することが少なくなり、監視や決定を担当

生産自動化のために適切な技術を選択する場合に考慮すべき重要なポイント:

高速で高精度

データ収集システムは、産業用のデータ収集に求められている要件を満たすために、猛烈なスピードで開発されています。計測データ収集、処理、上位コントローラへの転送が高速化しています。例えば、最大19.2kHzのサンプリングレートが全チャンネルで実現されています。同時に、24ビット分解能のアンプにより、計測データは極めて高い精度(精度クラス0.05%)が保証されています。

コミュニケーション

構成やデータ表示に使用されるPC(操作ユニット)との通信は超高速のFast Ethernet(ファスト・イーサネット)で行われます。最高100Mbit/sの通信速度で、計測データを転送できます。さらに、データ収集システムはUSBポートを備え、USBフラッシュドライブを使用して装置のバックアップを行い、必要に応じてデータを取り出せます。また、ハードディスクやバーコードスキャナなどの周辺装置を接続して、例えば、品質データの保存やそのデータの中に部品IDを保存することもできます。

適応性

柔軟性がポイントです。チャンネル数やインタフェースの種類は、使用目的に依存します。したがって最新のアンプは、さまざまなタスクに対応できるように、多様なプラグ・イン・ボードを使用できるメインフレームでできています。最初のスロットは、上位の自動化システムと統合するためのコミュニケーション・ボードになっています。2番目以降の各スロットは、4チャンネル・アンプおよび入出力ボードに利用可能です。

HBMは、ひずみゲージ(SG)、アナログ入出力、およびデジタル出力に利用可能なさまざまなアンプモジュールを提供しています。これらは例えば、力、トルク、圧力、ひずみ、温度など最もよく使われる物理量のデータ収集に使用できます。すべてのモジュールの電源はメインフレームから供給します。

インテリジェント

産業用の試験計測設備は、自動化システムの通信プロトコルでシームレスに統合できる必要があります。ここ数年間で、データ量とデータ収集速度が飛躍的に増大した結果、産業用Ethernetが自動化技術の通信プロトコルとしてますます普及しています。過去には、CANやProfibusなどの簡単なフィールドバスを使用していましたが、これからのデータ収集システムは、大容量・高速通信が可能なリアルタイムのEthernetプロトコルのEtherCAT、ProfinetまたはEthernet/IPをサポートしなければなりません。

HBMのアンプは、既に内部的に計測信号を処理して、リアルタイムで分析できる能力があります。したがって、このアンプは、今まで上位のコントローラが処理してきたタスクである、平均値計算、ピーク値獲得、その他の数学的処理、および、PID制御機能などを処理できます。

また、データ収集システムによって提供されたチャンネルに加えて、いわゆる仮想計算チャネルを自由に使用できます。強力な信号プロセッサにより、すべての計測値と仮想計算チャネルから派生した値を、最大10kHzの速度で他のマシンやシステムコントローラにリアルタイム転送できます。この試験計測における分散処理は、非常に高度なオートメーションを使用するアプリケーションには、特に重要です。これは、コントローラの負担を軽減し、故障率を下げる効果があります。


特に分散処理型の計測システムが適しているアプリケーション

HBMのPMXなどの分散処理システムに適したアプリケーションは生産現場にあります。例えば、プレス工程の監視です。その応用範囲はプラスチック板や紛体のプレスから自動車用の鋼板プレスまであります。また、このシステムは組み立てや接合プロセスの監視に理想的です。

大型の複雑なマシンや工場では、特に、重要な機械パラメータは頻繁に監視する必要があります。このいわゆる状態監視は、ダウンタイムを最小限に抑え、生産停止で生じる損害を削減します。分散処理型の計測システムの伝統的なアプリケーションは、産業用テストベンチです。例えば、複合部品の最大負荷容量や許容使用範囲を決定するテストが行われます。また、ここでも産業用Ethernetが活躍します。同様に、品質管理用テストベンチが製造ラインの最終端で完成製品の品質をモニタします。また、ここで収集された品質データをデータベースに保存するには、試験計測装置の通信アーキテクチャが高性能であることが必要です。

PMX
PMX Software

使いやすい装置

システムのオペレーターは、スマートフォンなどのスマート機器の使いやすさを知っており、毎日使用しています。今日では、この使いやすさがアンプなどの試験計測の分野に導入されています。その直感的な操作性を持つソフトウェアは、今までのところスマートフォンやタブレットだけに提供されているものです。また、標準化されたインタフェースにより、Web接続可能な端末装置があれば、構成、操作、分析に関するデバイス・パラメータへ簡単にアクセスできます。結果として、この技術は陳腐化しないので投資リスクが小さくなります。また、モバイル端末やクラウド経由でアプリケーションの管理が可能になります。

IIoTへの道

応用範囲は非常に広く、計測器のリモート用データ画面をスマートフォンやタブレットに表示する簡単なものから、企業のネットワーク上のスマートテストベンチを管理することまでできます。さらに、インターネット経由で風力発電所のタービンの監視もおこなえます。単純なデータの表示だけでなく、生産ラインに遠隔地から直接アクセスして生産工程を制御することができます。例えば、工程を開始や停止できます。IIOTの導入により、スマート・プロダクションの利点を完全に活用できます:

  • 自律的に最適化するプロダクション・システムを分散処理
  • 個々の製品の生産工程をさらにフレキシブルにして、1バッチの生産を連続生産と同様に単純化
  • リモートで集中監視・制御ができるスマート・プロダクションの工程管理
  • 生産マシンやロボットの予防保守
  • 新しいサービス志向のビジネスモデルを創生

結論

IIoT技術を使用することにより、企業は世界共通の課題である、より厳しい顧客の要求やダイナミックな市場の変化に打ち勝つことができます。スマートネットワークで製品と生産工程をリンクして、データをリアルタイムで利用可能にすることが、分散処理型の生産制御の基礎になります。これにより生産工程がより大きく柔軟になり、競争力が向上します。高度な自動化ソリューションでは、高速サンプリングレート、高速データ伝送、人工知能(デジタル信号プロセッサのDSPやCPU)が必要となり、試験計測装置にとっても重要な必要条件となっています。

また、産業用Ethernet経由の高速データ通信によるリアルタイム・コミュニケーションが、ますます重要な役割を果たします。PMXはこれらの要件をすべての満たすデータ収集システムとなっており、商品開発や検査において産業用の試験計測装置に要求される多種多様なタスクに最適です。またDakkS(ドイツ連邦共和国の国家認可団体)準拠の校正証明書がPMXのすべての計測ボードに供給されます。


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