分力計の動作原理 分力計の動作原理 | HBM

3次元方向の計測:分力計の役割

例えば、ロボットのアプリケーションで、複数のベクトル軸に沿って力やトルクを計測する必要がある場合は、「分力計」を推奨します。 分力計(多軸センサ)は、複数の単軸センサを設置する場合と比較して、設置スペースと設置作業の手間を大きく節約できます。分力計を選択する際には、「クロストーク」の影響を考慮することが特に重要です。

分力計(多成分センサまたは多成分トランスデューサとも呼ばれる)は、x y方向の計測と同様に、複数の空間方向に生じる力とトルクを計測します。一部の多成分トランスデューサは、対応する軸方向(2K / 3K)の力だけでなく、軸に作用するトルクも計測できます。力とともにトルクが決定される場合、分力計は最大6つの成分(3xF、3xM)を計測することができます。

様々な応用の可能性

このように、一台のマルチコンポーネントセンサが本質的な物理量の三次元計測を行うことができます。この機能により、多軸センサは、x、y、zベクトルの形で記述された多次元荷重を決定するアプリケーションに最適です。典型的な適用分野は、ロボットや機械(例:航空機組立およびトンネル穿孔機)における限界負荷の監視、および、様々なテストベンチ(タイヤ試験機や平衡機など)における試験標本のデータ収集です。さらに、洋上アプリケーションでは構造テストに適しています。


クロストークを最小化

クロストークは、通常、複数の負荷が作用している、計測点を計測するときに発生する問題です。ポアソン効果の物理的結果に基づいて、一方向のみに荷重が加えられている場合でも、センサの横方向感度のために、他の軸にも微小な出力信号が存在します。しかしながら、このような横方向のひずみによる影響(クロストーク)は、技術的に最小限にする方法があります。例えば、HBMのPMXまたはQuantumXデータ収集システムを使用して、「マトリックス補償」により個別に補償を実行することができます。この補償により、3倍から5倍のクロストークを低減できる可能性があります。クロストークを最小限に抑える補償マトリクスは、各多軸センサを個別に計測してクロストークを評価することが前提条件です。多軸センサを選択する際には、センサメーカーがクロストークの問題をどのように処理しているか、慎重に検討することが重要です。