Hydro Leduc社:高速油圧モータの試験システム Hydro Leduc社:高速油圧モータの試験システム | HBM

可変速油圧モータの高度試験システムの開発

すべてはHBMのトルクセンサ T40B から始まりました。InTest社は、既存のシステムよりも汎用性のある油圧モータ用新型テストベンチの開発を計画していました。T40Bは、優れた精度、再現性、堅牢性で有名です。このセンサは、油圧アプリケーションで必要とされる静的および動的トルク計測に特に適しています。InTest社は、油圧機器専門メーカーであるHydro Leduc社向けのテスト装置を開発していました。また、Hydro Leduc社はT40Bを標準のトルクセンサとして採用し、保全管理を簡素化するために既存の試験機のすべてにT40Bを装備することに決めました。

InTest社は、自動車、航空宇宙、エレクトロニクス、電気通信などの業界で使用されている油圧、空気圧、電気などの装置用に工業生産試験装置および設備を製造しています。Alexis Sanchis氏は、2007年からInTestのプロジェクトマネージャを務めており、HBMの製品は5年以上も同社の優先サプライヤに認定されていると述べています。同氏は、「ハイレベルな計測技術が必要なアプリケーションではHBMの独壇場になっています。例えば、比類のない精度が要求される場合、計測データ収集用のファーストクラスのせンサとモジュールが必要な場合などです。」さらに、「HBMは高度に専門的な会社であり、営業部門は非常に協力的です。従業員はさまざまな分野で取り組んでいる仕事の優れたビジョンを持ち、自社の製品に精通しています。」


Alexis Sanchis氏は、HBMは単なるサプライヤではなく、真のパートナーであると考えています。同氏は最近、HBMのQuantumXモジュール(収集/処理用)を開発するために行った、HBMとInTestの協業について語りました。Alex Sanchis氏によると、「顧客の要望に基づき、HBMはInTestとの共同開発の一環としてこの製品を開発しました。両社の協業は成功をおさめ、長期的な信頼関係を築いています。」

課題

陸上および建設機械に設置する可変速モータのテスト装置に対して、Hydro Leduc社は非常に効率的であることと保守管理が簡単であることを要求しました。

 

ソリューション

計量能力と堅牢性に関する要件を満たすために、InTestはHBMのトルクセンサT40Bをテストベンチに採用しました。T40Bは、設置が簡単、磁界ノイズに強い統合型センサ、そして高精度などの多くの長所を持っています。

 

まとめ

Hydro Leduc社は、すべての試験機にHBMトルクセンサT40Bを実装して、可変容量型油圧モータの高精度試験と保守管理の簡素化を実現しました。

革新的で強力なテストベンチの設計

テストベンチは、大型農業機械用の新型の可変容量型油圧モータをテストする目的で、顧客のHydro Leduc社の仕様に基づき設計されました。テストベンチは長さ6m、幅3.1m、高さ3.5m、重さ17トンで、1週間に6日X24時間稼動するように設計されています。

しかし、要件はそれだけではありません。伝統的な定速油圧モータとは対照的に、可変速度モータは優れた速度性能と動的能力を備えています。これは、より多くの動作点でモータをテストする必要があることを意味します。結果的に、新型テストベンチの要件は、10年前にInTestによって製作された定速テストベンチよりはるかに厳しいものとなりました。

試験装置は、モータによって生成された馬力を計測し、トルクと速度を決定しなければなりません。パワーは、トルクに速度を乗算することによって決定できます。Hydro Leducに提供されたInTestのベンチは柔軟性と適応性を備えており、同社が製造するすべてのモータで使用できます。
この新型の試験装置に対する厳しい要求により、InTest社はHBMのトルクセンサと技術サービスの両方を利用することになりました。

テストベンチの心臓部トルクセンサT40B

計量性能と堅牢性の要件を満たすために、InTestは費用対効果が高いうえ高精度なHBMトルクセンサT40Bをテストベンチに搭載しました。T40B は、ヒステリシスと温度安定性を含む直線性において、0.03%の精度を備えています。

一体型磁気回転速度計測システムと組み合わせることで、ドライブトレインの電力計測が可能になります。さらに、非接触電源とデジタル信号伝送により、フェイルセーフでメンテナンスフリーな運用が可能です。センサと計測電子機器との間に接触がないため、実装が簡単です。Hydro Leducによって使用された計測速度は2,000 rpmまででしたが、T40Bは最高24,000 rpmまでの速度を処理することができ、計測レンジが大きく広がっても対応可能です。

また、Hydro Leducのトルク計測要件は、T40Bの性能をはるかに下回る1,300 Nmまでですが、T40Bは最大2,000 Nmの直接計測(精度に影響する可能性のある変換器も乗算器を使用しない)が可能です。
Alexis Sanchis氏は、プロジェクトの「問題点」であった、センサの計測値を検出エレクトロニクスに伝達する方式については、センサの周波数出力を選択しました。同氏によると、

 

「センサ周辺には電動機から発生する電磁ノイズがあるので、電圧出力ではなく周波数出力を選択しました」

ソフトウェアが鍵

データ処理とテストベンチの制御用のInNovaソフトウェアは、.NET言語(マイクロソフト)で書かれており、InTest社によって絶えず改良されています。このオープンソース・ソフトウェアは、ユーザが要件に応じてテストベンチを開発するために完全にカスタマイズすることができます。
一例として、もともと可変容量型モータをテストするために設計されたHydro Leducのテストベンチは、350種類のHydro Leducのモータにすべて対応できるようになりました。Hydro Leducは、統計的評価のためのデータを収集して、早い段階で多様な生産動向を特定し、完全な製品トレーサビリティを確保することができます。

なぜT40Bが最良の選択だったのか

新型テストベンチ において トルクセンサT40B の柔軟性、信頼性、および高精度が確認されたため、 Hydro Leduc社のすべての試験装置に採用されることになりました。T40Bは装置の生産性を向上させただけでなく、保守部品数を減少させ、部品管理の簡素化に貢献しました。

  • トルクセンサT40Bの特長:
  • 高精度:1024パルス/回転
  • 212ステップまでの角度精度
  • 磁場の影響に対応した統合型センサ
  • 高い信号品質と信号対雑音比
  • パルスホイールとセンサ間の調整は不要
  • パルスホイールとセンサ間に最大2.5 mmのエアギャップ
  • 環境からの影響に対する保護

Hydro Leduc社

Hydro Leduc社は、油圧モータおよびコンポーネントの設計および製造の専門企業であり、世界中の要求の厳しいアプリケーション向けに数々のソリューションを開発してきました。150以上の特許と技術ノウハウを持つ同社は、高い信頼性を持つ製品を提供しています。

詳細については、https://www.hydroleduc.com/en/

InTest社

InTest社は、ターンキー型の産業用テストシステムの製作と設置を行っています。同社は、過去10年間にわたって世界中で120以上の産業用テストシステムを構築しています。これらのシステムは、40:60の比率で、R&Dと製造の両方の工程で使用されています。

詳細については、https://intest.info/