ITER核融合実験用の光ファイバ式センサ

HBMは、ITER真空容器への光ファイバ式ひずみゲージの供給に関して、ITER(International Fusion Energy Organization)と契約を結びました。これは、単独の受注としては、最高額の注文で、光ファイバ式ソリューションのますます大きくなる重要性と市場性を象徴しています。この契約は2年間続くことが予定されています。

この契約により、ITERからHBM FiberSensingとSmartec(RocTest社)で構成されるコンソーシアムへの発注が増えました。このコンソーシアムは、熱核実験炉の磁石のひずみ、変位、温度を計測するための、FBG(Fiber Bragg Grating)技術とFabry-Perot干渉計に基づく光ファイバ検知システムへの供給に関するITER入札をすでに獲得しています。

ITERプロジェクト:新エネルギーへの道

核融合プロジェクトproject for fusion は、太陽の核で起きているプロセスと同じ核融合から商業用エネルギーを生み出すことによって、よりクリーンで持続可能な新エネルギー源を開発することを目指す大規模な科学実験です。フランスのカダラッシュに建設中の熱核実験炉の建設もこのプロジェクトに関連しています。

太陽は毎秒6億トンの水素をヘリウムに転換し、膨大なエネルギーを放出しています。ITERでは、次世代核融合装置であるトカマクで核融合反応を達成する予定です。これは、核融合による熱プラズマを閉じ込め、制御するために設計された大型の超伝導磁石を利用して行います。重水素とトリチウム(DT)との融合は、1つのヘリウム核、1つの中性子およびエネルギーを生成します。そのエネルギーは熱に変換され蒸気となり、タービンと発電機を経由して電気になります。

課題

真空、放射線、強電磁場、極低温下で動作するITERプロジェクトの超伝導コイルおよび真空容器に設置できるセンシングシステムが必要。

 

ソリューション

最初の契約の目的は、超電導マグネットの様々な機械部品や構造物上に、特殊な環境に耐える光ファイバ式センサを製作し、設置することでした。合計で約500~900個のセンサがデータ収集システムと一緒に開発、製造、納品されました。

 

まとめ

この契約は大成功をおさめて完了したので、HBMはITERの真空容器の光学検知システムの認定と供給に関する新しい契約を締結しました。

真空容器用の光センシングシステムの認定と供給

ITER真空容器は複雑な構造で、約5,000トンの重さがあります。それはITER装置のクライオスタット内に位置し、その基本機能は核融合反応を起こすチャンバーとして動作することです。このトーラス型容器内で、プラズマ粒子は磁場により閉じ込められ、壁に触れることなく衝突し、エネルギーを放出します。真空容器は、100℃に近い温度で、110 mの水中圧力に等しい11気圧の公称水圧の中で動作します。その複雑さおよびサイズのために、そのような巨大構造の構築および監視には高度な精度を必要となります。

このプロジェクトによる徹底した大規模テストのおかげで、このプログラムで認定されたセンサは、高温、真空、放射線環境での計測を必要とするITERやその他のアプリケーションに応用されることが期待されています。

超伝導マグネット用光センシングシステムの認定と供給

これまでの契約では、HBM FiberSensingは、ITER超電導マグネットのコイルや様々な機械構造物に取り付ける、ひずみ、変位、温度を計測する光ファイバ式センサを提供しました。この作業の第1段階には、4Kまでの極低温、放射線および真空など、このアプリケーション特有の厳しい環境で使用できる、光センサ、インタロゲータおよびソフトウェアの最適化と認定が含まれていました。第2段階では、センシングシステム全体の製作と供給が行われました。ケーブルやソフトウェアなどの補完的なアクセサリに加えて、合計で約5500~900個のセンサがデータ収集システムと一緒に納入されました。スケジュールは次のとおりです。

  • フェーズ 1  ー センサの開発とテスト
  • フェーズ 2  ー 右の環境に対する最適化:高い放射線、高真空、極低温(液体ヘリウムの温度)2011~2014
  • フェーズ 3  ー センサの工業化、生産および出荷 2014~2017

ITERについて

ITERの目的は、中国、欧州連合(EU)、インド、日本、韓国、ロシア、米国の7つの国際加盟国の協力により、この最も野心的な国際科学プロジェクトを成功させることです。2010年11月30日に、ITER計画の建設をカバーするグローバル保険契約が締結されました。

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