温度を正確に計測:センサ技術とデータ収集システムの要件

計測技術の世界で最も頻繁に計測される物理量は温度です。そのため、このタスクを実行するために様々なセンサおよび計測方式が存在します。温度を計測する最も一般的な方法は、熱電対を使用することです。本文では、熱電対の概要を説明します。

世界中で、温度は最も頻繁に計測される物理量です。温度変化の正確な記録は、構造物の熱変動およびあらゆる種類のシステムの動的挙動を観察する場合などにおいて重要な役割を果たします。

多くの要因が温度変化の影響を受けます。これには、環境の影響(外気温)、センサの加熱、燃焼または爆発プロセス、流れ、摩擦や電流発生する機械的に動くシステム部品などが含まれます。

温度変化は、電流、ひずみ、流れまたは圧力などの他の物理量に影響します。理想的には、これらの温度依存性は、計測実行時に補償されます。この場合、温度変動による計測関連の不確実性を低減するために、正確な温度計測が不可欠です。

実機テストまたはモデルテスト中に、取得された温度プロファイルは、システムの分析と最適化に使用できます。これは、回路の冷却および加熱、材料の設計、または電気を送るためのワイヤサイズの決定に有益です。


デジタル温度計測の方法

他の多くの量と同時にデジタルで温度を比較したい場合は、以下の温度計測オプションが使用できます:

  • 抵抗値が変化するセンサ。NTCサーミスタなどは温度が上昇すると抵抗が低下。PTCサーミスタは温度が上昇するにつれて抵抗を増加(例えば、白金またはシリコーン抵抗温度計またはセラミックPTCサーミスタ)
  • 電気信号を送信するセンサ。IC温度センサなどは、温度が変化すると電流または電圧が変化
  • 水晶発振器を使用する温度センサ。ここでは共振周波数が温度の関数として変化
  • パイロメータと熱画像カメラは非接触型で、熱放射を計測
  • 光ファイバ式温度センサは、ガラスファイバに沿った温度プロファイルを計測。ここでの原理はラマン効果です。言い換えれば、ファイバブラッググレーティング(FBG)における屈折率の温度依存性の変化を利用
  • 最後に、温度を計測する最も一般的な方法が、熱電対です。これは、ゼーベック効果により、温度差を電圧に変換。熱電対は温度計測部分を溶接された2つの異なる金属から構成し、この接続点が高温になると、非線形電圧が温度の関数として生成

ゼーベック効果で温度を決定

熱電対はゼーベック効果に基づいて温度を計測します。熱と電気の関係(熱電気)は、物理学者トーマス・ヨハン・ゼーベックによって発見されました。2つの異なる金属の接続点が加熱されると、温度に依存する電圧が発生します。

熱電対の先端は、溶接された2種類の金属線からなり、その線は計測機器に接続されています。これらの金属線の異なる点で温度が異なると、電荷の移動が発生します。金属線の材料と導電率は電子の活動量を決定し、したがってこの電荷移動の程度を決定します。2つの金属の溶接された接続点が加熱されると、電子は一方の材料から他方の材料に移動する。ワイヤの接続された端部と接続されていない端部との間の結果として生じる温度差は、熱電電圧に影響を及ぼします。これは、ワイヤの自由端から計測することができます。ワイヤの自由端の温度を記録し、電圧を計測したら、2本のワイヤの接続点の温度を計算することができます。この場合、計測される電圧は非常に低く、温度差の1摂氏度あたり数十マイクロボルト(μV/℃)しかありません。しかし、これは正確に温度を決定するために十分な強度です。

熱電対の種類

様々な種類の熱電対があります。その特性は製造材料によって異なり、様々な温度範囲をカバーします。様々な種類、電圧範囲、起電力、および許容偏差温度は、DIN EN 60584に準拠しています。

Kタイプ 熱電対が広く使用されています。これは、ニッケル-クロム合金とニッケル-アルメル合金の接続で作られた汎用熱電対です。約41μV/℃(マイクロボルト/℃)の感度を持ち、低価格で、通常は-200~+1100℃の非常に広い温度範囲を持っています。

他の一般的なタイプは、E、T、J、N(これはKタイプの後継バージョンです)、C、およびSです。

熱電対の使用

熱電対は、研究開発の分野で幅広い用途に使用できます。例えば、蓄熱装置を熱的に最適な状態にし、電気モータの減磁を防ぐなど、車内の複雑な気候モデルの検証と改善を容易に実施することができます。

熱電対の長所

  • 堅牢な構造
  • 非常に薄い形状で製作すると、短い応答時間(0.1秒/ 10Hzまで)が可能。あらゆる形状で組み込み可能
  • 低価格
  • 計測可能な温度範囲が広い

熱電対の短所

  • 熱電対と同じ材料特性の補償導線が必要
  • 接続点は追加の熱電対となり、補償されなければならない熱電電圧を生成。例えば計測機器の銅配線とKタイプ熱電対のニッケル-クロム(NiCr)ワイヤの接続点に熱電対を生成
  • 精度等級
  • 非線形特性
  • 多くの不確定要素が存在
  • 電磁ノイズの影響を受ける可能性

燃焼機関、コンプレッサ、電気駆動装置などが試験対象のシステムの場合は、独自の電気的ノイズが発生します。計測ポイントに近いところに、スパークプラグなどの高電圧を放電する物体がある場合や高電流や高電圧が流れている場合などは、ノイズの影響を受ける可能性があります。

熱電対で温度を計測するための最適なデータ収集システム

最適なデータ収集システムは、微弱な信号を取得し、変動する周囲条件からくるすべての悪条件を克服し、さらに信号ノイズなどの外乱要素を抑制します。

HBMのデータ収集システムQuantumXを使用すると、物理的に計測可能なすべての量に適したデータ収集を行い、簡単に使用できるCatmanソフトウェアでデータ分析も行えます。

熱電対の接続用に特別に設計された以下のモデルが利用可能:

 

  • MX1609KB: 16チャネルデータ収集モジュール、Kタイプ
  • MX1609TB: 16チャネルデータ収集モジュール、Tタイプ
  • MX1609KB-R: Kタイプ熱電対(SomatXRシリーズ)用に個別に設定可能な16個のチャネルを備えた堅牢なアンプ
  • MX809B: 8チャンネルデータ収集モジュール、全タイプ(銅製レセプタクル)
  • MX840B/MX440B: 4/8チャンネル汎用データ収集モジュール、全タイプ

QuantumXを使用して温度を始め、あらゆる信号を計測

HBMは、測温抵抗体または熱電対を利用して、温度を正確に計測するデータ収集システムQuantumX(DAQ)を提供しています。QuantumXファミリはモジュール式で拡張可能なので、あらゆる要件に対応可能です。信号、センサ、トランスデューサを接続して、温度、ひずみ、圧力、力、トルク、速度、加速度、位置、流量、電圧、電流などの物理量を互いに同期しながらデジタル化できます。

QuantumX -正確な計測結果が得られるDAQシステム

モジュール式のQuantumXデータ収集システムは、温度などの計測量を非常に正確に処理します。

  • 機械工学、自動車、医療工学、航空宇宙産業などの分野の研究開発に非常に幅広く応用可能
  • 0.1 Kまでの極度の精度で温度を計測
  • ノイズの影響を受けにくい
  • 信頼性の高い計測は、高電圧ポテンシャル(VDE認定)で実行
  • ワイヤレスTED(RFID)を使用した自動化されたチャネルパラメータ設定
  • 0.1~40.000 S/sの範囲でサンプリングレートを自由に選択、静的な構造体の計測および高度に動的な計測に最適
  • イーサネット経由で最適なデータ転送が容易で、任意のソフトウェアと統合可能

QuantumXは、ほぼすべてのアプリケーションに最適なテクノロジを提供:

  • ユニバーサル入力または特殊入力(すべてのタイプまたは特定のタイプ)が付属
  • 個々のチャネル別に、銅との接続部付近に高精度の冷接点補償を提供(Pt1000)
  • チャネルは相互に、また電源とネットワークから電気的に絶縁されており、ノイズを効果的に抑制
  • 計測チェーンは、二重絶縁ケーブル、接触保護、高度な電気的絶縁(計測カテゴリを参照)、VDEによる検証により安全性確保
  • IECに準拠した曲線の多項式線形化を使用
  • 追加で多項式を補正するために、いくつかの計測点(例:氷水と200℃間で)を使用した、各アプリケーションに対応した熱校正を提供
  • 温度範囲が拡張された、堅牢でコンパクトなデザイン
  • チャンネルパラメータの自動化設定、計測ポイントの表示、TED(RFIDテクノロジー)を使用したチャンネル別の線形化が可能
  • 全チャンネルに個別サンプリングレート+ローパスフィルタを装備
  • 自由に拡張可能なシステム設計
  • 同期した計測が可能
  • 任意のソフトウェアと簡単に統合可能HBMのデータ収集ソフトウェアcatmanにより、データ収集と解析用のシンプルで包括的なソリューションを提供
  • リアルタイムで統合可能(EtherCAT、CANバス)
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