QuantumX – その名前がすべてを語る: 非常に複雑な計測課題を解決するためのモジュールシステム、つまり柔軟に組み合わせ可能ということですが、このアイデアはどうやって思いついたのですか?
Salcher:
「10年前、計測電子機器の柔軟性は非常に限られており、大きくて扱いにくく、高価なものでした。そのころHBMは製品ラインとしてMGCplusというデータ収集システムを擁していました。このシステムは今も現場で運用される計測デバイスの標準として活用されています。試しにインターネットでMGCplusを調べてみてください。計測技術の代名詞的存在です。
HBMが保有する特許のうち驚くほど多くのものがこのシステムに関連しています。しかし、同システムにも制約があり、乗り越えなければならない時期でした。お客様の要求にお応えできるようにするため、その上を行く新たな計測システムが求められていました。お客様のニーズはまだはっきりとは顕在化していませんでしたが、技術的には可能でした。つまり、将来に向けた大きなステップであり、柔軟性に優れたツールという特徴を持たせる必要がありました。私たちはそのシステムの市場への投入に際し、「計測技術のスイスアーミーナイフ」という表現を用いました。それから10年が経ち、QuantumXはそれ以上のものへと進化を遂げているのです」