圧縮型力センサの応用 圧縮型力センサの応用 | HBM

圧縮型力センサ:荷重ローディングの方法

力センサの性能および耐久性は、力センサ自体によって決定されるだけでなく、力をセンサに伝達する補助部品(荷重ローディング部品)の設計によっても決定されます。力センサに接続する補助部品は、重要な構造要素部品なので、特定の技術的要件を満たす必要があります。このトピックに関する詳細情報は、操作マニュアルに記載されています。

荷重ローディング部品は、センサの精度と寿命を最大限に引き出すために、次の条件を満たす必要があります。

  • 摩耗を最小限に抑えるために、荷重のローディング部分は十分な硬度(40HRC)を持つこと
  • 荷重ローディング部分は研磨面(Ra =0.8μm)を有すること
  • 荷重ローディング部分は、荷重の影響により、大きく変形しないこと
  • 荷重ローディング部分は、荷重が確実に均一にセンサに集中して加えられること

凸型荷重ロードディングノブ

多くの圧縮型力センサは、上側に凸型の荷重ローディングノブを有しており、これにより自動的なセンタリングがおこなわれます(すなわち中央に力が集中する構造になっています)。これを達成するために、荷重ローディング部の最高点はセンサの中心に正確に配置されます。

この箇所に非常に高い機械的応力(ヘルツ応力)が発生(特に、非常に大きな定格の力センサの場合)ので、荷重ローディング部分の半径を正確に選択することによって、負荷の影響を調整します。

相手側が変形するリスクがあるため、相手方の寸法を決めるときには、ストレスの大きさに注意することが重要です。したがって、すべての圧縮型力センサならびに、一部の引張力/圧縮力型センサでは、いわゆるスラストピースが使用されます。これは上記の要件を満たし、接続された構造要素部品の損傷を防止するのに役立ちます。

内部ボアと圧縮バーを備えた力センサの特長

HBMのC6Bのような内部ボアと圧縮バーを備えた力センサには、 多くの利点があります。

  • 非常に高い剛性と高い基本周波数 - 動的計測タスクに最適
  • 腐食、振動、衝撃に対する耐性が高い堅牢な設計
  • コストパフォーマンスの高いソリューション
  • 超高な定格容量(HBM製品は最大10MN)

この圧縮型力トランスデューサタイプは凸状の荷重ローディング部分を有していないので、機械的な接続が容易です。

荷重を均一に分散

高い剛性と中央に負荷ローディング部分がないため、センサを適切に取り付けるには、それなりの配慮が必要です。加えられた力を計測可能な抵抗値の変化に変換するひずみゲージは、リング型センサの円周上の4点に配置されます。良好な計測結果を得るためには、力を円周に沿って均一に適用し、できるだけ均一にひずみ変換されるようにする必要があります。このセンサは非常に小さい変位を利用しているので、不均一性および傾斜は補償されません。

コンパクトデザイン vs ロングデザイン

均一な機械的応力分布を確保する簡単な方法は、できるだけ長いセンサを使用することで、これにより円周上のひずみ分布を平均化して計測できます。しかし、それはお客様の要求する軽量でコンパクトな設計に反します。このアプローチは、精度が優先する参照用力センサに関しては許容可能で、これらのセンサはその目的に応じて設計されます。

HBMは、上述の要件を満たす圧縮型力センサC6Bのローディング金具を提供しています。この金具により、均一な機械的応力分布が確保されます。しかし、一般的に、内部ボアと圧縮バーを備えた小型力センサは、わずかですが取り付け条件の影響を受けやすい傾向があります。この問題に対処するために、C6Bと一緒に発注できるローディング金具が用意されています。ここで注目すべき特別な特長として、アプリケーションで使用されるセンサとローディング金具は工場出荷時に一緒に校正されます。このローディング金具はHBMにおいて校正後、マークをつけられ、必ず一緒に校正したセンサとの組み合わせで使用されます。球形のキャップ(下図参照)と荷重ボタンの両方を使用することができ、これに対応するスラストピースが用意されています。