図5に大阪工業大学にて開発したMMCを示す。MMCは各相8モジュール、計24モジュールで構成される。モジュール基板には1枚当たり2モジュールの回路が実装されている。容量は10 kVA、PWMキャリアは最大20 kHzである。
図6に実験時のシステム構成を示す。三相系統に接続される整流器を通じて直流400 Vが生成される。2レベルインバータにより、直流から三相200 V / 400 Hzに変換され、高周波変圧器により絶縁されたのち、MMCへと入力される。MMCにおいて直流400 Vに変換する際の動作を評価する。なお、MMCの出力はそのまま2レベルインバータの入力となるため、三相系統からは変換器の損失分の電力のみ供給される。
図7に実験の様子を示す。MMCの動作を分析するため、モジュールのキャパシタ電圧、スイッチング素子の電圧および電流など、計12チャンネルを同時に測定する必要がある。一般的なオシロスコープではチャンネル数が足りないことから、高速マルチチャンネルレコーダGEN7tAを使用している。なお、GEN7tAのサンプリングは2 MS/sであることから、高調波成分を測定することも可能である。また、ダイナミックパワーアナライズ機能eDriveを使用することで同時にMMCの電力を測定することができる。
図8に各モジュールにおけるキャパシタ電圧の測定結果の一例を示す。MMCの動作によって、キャパシタ電圧が変動していることが明らかとなっている。キャパシタ電圧の基準電位はモジュールごとに異なるため、一般的なオシロスコープを使う場合、測定点数分の差動プローブが必要となる。一方、GEN7tAでは電圧入力部が絶縁(最大入力電圧 ±1000V)されていることから、差動プローブを使用せずに多数のポイントでの電圧測定が可能である。