パワーアナライザは電気機器内における電力(w)の流れを計測します。これを電源から電力消費部への電子の移動量とみなし、力の代替表現であるエネルギー毎秒(J/s)で表示します。電力量の計測は難しい操作ですが、標準のパワーアナライザを用いればとても簡単に実行できる基礎的なプロセスです。より上位の高性能パワーアナライザではさらなる複合分析のため、電気信号を収集して集中演算が実行されます。
パワーアナライザとは何か。
パワーアナライザの作動原理
パワーアナライザは、交流(AC)機器あるいは直流(DC)機器のいずれでもエネルギーの流れを計測できますが、AC回路の場合を明白に考慮しています。
電気信号の真のRMS周期を決定すると、計測器が行うそれ以降の各計算が明瞭になります。交流の場合は少し複雑で、直流に相当する値として2乗平均平方根で通常表現されます。交流波形の真の実効値を正確に決定するには、交流周波数のサイクル全体にわたって平均を計算しなければなりません。これが、回路の基本周波数として定義されます。パワーアナライザは周波数サイクルをデジタルに検出し、電力変換中に信頼できるRMS周期を提供します。
パワーアナライザはまた、システムの電圧と電流も検出しなければなりません。標準的なシステムでは、個々の電圧は電圧分割器を使って直接収集し、電流の計測には、一般的に変圧器が必要となります。これは、電流が流れる電線の電界を計測するコイルすなわちフラックスゲート式電流計から成ることもあります。
これらの数値が決定できたら、あとは単に数学の問題として電力を計算するだけです。
応用パワー解析
先に述べたとおり、革新的なパワーアナライザは、電力値を提供するだけではありません。テストベンチや製造現場で決定的要因となるトルクや速度など、さまざまな機械的エネルギーの値を計測するためにもよく使われます。パワーアナライザでは、電気機械的システムのパフォーマンスや効率を包括的に調査するための信頼できるデータが得られます。このほか、高度なパワーアナライザを使用して実行可能な計算や分析手法には次のものがあります。
- 効率マッピング
- 高速フーリエ変換(FFT)と調和解析
- 基本電力と実効値
- 極線図と対称成分
- 空間ベクトルとDQ電流
HBMのパワーアナライザ
HBMでは、電動ドライブの継続計測用に、最大51の電力チャンネルと6つのトルクチャンネルを持つ、クラス最高のトルクセンサを組み込んだ各種パワーアナライザをご用意しています。
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