Dyno Dynamics-新世代のエンジン動力計 Dyno Dynamics-新世代のエンジン動力計 | HBM

新世代のエンジン動力計

Dyno Dynamics社は過去25年間にわたり動力計設計の最前線にいるオーストラリアの会社です。アルバやアブダビなどの遠隔地を含む全世界に顧客を持っているうえに、米国と英国には特に大きな実績を築いています。

この会社のベストセラーは、自動車サービス業界用の2輪駆動、4輪駆動用やモータサイクル用の動力計ですが、トラックやバスの動力計、またゴーカートから鉄道のディーゼルエンジンに至るまでのエンジン動力計も製作しています。

新型の高速エンジン動力計

Dyno Dynamics社が新型の高速エンジン動力計の設計に着手したとき、既存モデルの単なる改造にとどまらない設計を考えていました。10,000 rpm1,000 Hp (approx. 750 kW)仕様のモデルなので新しいアプローチが必要でした。 出力定格は問題ではなく、以前にもより高出力の高速エンジン動力計を制作していました。しかし10,000 RPMの入力スピードが設計上の工夫を要しました。

設計上の様々な制約のため、小型で、丈夫で、速効性がある渦電流式の制動機を選択しました。Dyno Dynamics社は過去20年にわたり数千台の制動機を出荷してきており、故障が非常に少ないという成果を上げてきました。しかしながら、高出力向けの制動機は既製品では一般的には4-5,000 rpmまででした。明白な解決策は、スピードをより制御しやすい範囲に落とすギアボックスでが、この出力領域の工業用ギアボックスは大型で高価です。これを入手できるとしても、他に方法はないのか調査をしました。その結果、解決策はレーシングの世界から来ました。高出力レーシング用V8エンジン用に動力計が設計されていました。

V8スパーカーデファレンシャル、オイルクーラ付き

2.86 : 1 の比率で、出力シャフトの速度はより制御しやすい3,500 rpmに減速されたうえ、出力(車軸)シャフトが両側に1本ずつ出ているので小型の制動機を合計2個取り付けられます。

解決策:トルクの緩衝カップリング

内燃エンジンの回転速度は常に一定ではありません。クランクシャフトは圧縮ストロークで減速され、燃焼ストロークでは加速されます。エンジンのフライホイールが回転をある程度までスムーズにしますが、スピードやトルクの周期的振動は明らかに存在し、低速では特にひどくなります。

この振動は駆動系の各部に重度のストレスをかけます。エンジン動力計やモータに対しては特に大きいうえ、その駆動系にはタイヤやサスペンションなどの緩衝部分がありません

解決策は、トルク緩衝用のカップリングです。正確なねじり剛性を持つように設計されています。モータのピークトルクや回転振動は、回転振動ダンパを使用する事により、おおむね吸収されトランスミッションの過剰な消耗を避けることができます。

Dyno Dynamics社がカップリングとして選択したのはTECTOS t600です。エンジン試験業界用に特別に制作されたものです。

TECTOS t600

機械部分の基本レイアウトが決まったので、計装部分に着手しました。優良な動力計の心臓部はトルクと速度の高精度測定です。他のデータの計測も必要ですが、トルクと速度が最重要項目です。

速度計測には、実績があり検証済みの歯車/誘導ピックアップを使用しました。長年の間この方式は信頼性が証明されてきました。

トルク計測には、異なる課題がありました。正確な測定には、ギアボックスの内部抵抗を含めるために、ギアボックスへの入力トルクを計測する必要があります。このためDyno Dynamics社は標準のトルク反作用アームとロードセルが使用できず、シャフトタイプのトルク変換器が必要です。

徹底した調査の結果、Dyno Dynamics社はHBM T40Bに決定しました。15,000 RPM /2,000 Nmの比率が動力計の設計に特に適しているうえ、コンパクトな外形により設置が簡単にできます。非接触での信号伝送ができるフランジ型のトルクセンサT40B です。わずか59 mm厚と非常にコンパクトで取り付けが容易な形状です。

HBMのトルク変換器は、高応答のため、個々のシリンダの爆発トルクをなめらかに評価するためには、追加のソフトウェアによるフィルタが必要です。


T40B

センサを設置した様子:中央の黒色のリングアンテナが見える部分

Dyno Dynamics社はなぜHBMを選択したか?

Dyno Dynamics社がHBMを選択したのにはいくつかの理由があります。製品の仕様に対して価格が適切で競争力があったこと、そして現地エンジニアによる技術サービスが得られることは大きな利点でした。

HBMのセールスエンジニアMichael Lanksch はプロジェクトに深い興味を示し、工場に出向いて設計者グループと話し合いました。

設計工程は、HBMの変換器の3次元モデルにより単純化されています。 Solidworksフォーマットにより、既存のCADシステムに統合することができました。

 

初期の試験運転のグラフ、燃料圧不良によりエンジンがスムーズに動いていない様子を示しています:

 

Functional principles of dynamometers

All dynamometers need some means of absorbing the power produced by the motor under test, usually converting it to heat. The two most common power absorbers are “water brakes” and “eddy current retarders”.

  • Water brakes effectively use the motor to pump water through a variable restriction, causing the water to heat up. This heat is then removed via a cooling tower of some kind.
  • Eddy Current retarders use the motor to spin a series of disks sandwiched between electromagnets (coils). As the conductive disk moves through the magnetic field, its motion causes inductive heating of the disks. The disks can be either air or water cooled.