Schabmüller:最新型駆動系用の新テストベンチを開発、高精度なサイクルテストを実施 Schabmüller:最新型駆動系用の新テストベンチを開発、高精度なサイクルテストを実施 | HBM

高効率テストベンチで電動モータの革新をサポート:導入事例-Schabmüller

Schabmüller社は、モバイル機器用の電動モータを製造する市場リーダーです。Schabmüller社はHBMと共に新型駆動系のための新たなテストベンチコンセプトを開発しました。正確で再現性が高く、しかも使いやすいという2つのメリットが実現されています。このコンセプトによれば、センサを計測システムに簡単に統合でき、取得データに基づいてテストを制御しやすくなります。リアルタイムDSPの計算式を提供する数式データベースを使って、モータ開発者はテストに必要な演算式を素早く、簡単に作成し、計測やテストをカスタマイズできます。

電気駆動による装置は、現在の、そして未来のドライバーです。自動車業界はこの転換の課題に苦慮していますが、こうした装置はフォークリフトの標準部品として50年以上も前から存在していました。しかしさらなるモータの性能や効率向上への要求は絶えず増大し、このため電動モータのメーカー各社は新型のドライブ開発に向けて努力を続けています。同時に新たなテストベンチのコンセプトは、新型モータをテストする際に必要な精度を要求しています。テストプロセスを正確に制御しながら信頼性の高い結果を得ることが課題です。バッテリ駆動車用の電動モータの製造において、世界最大級の独立系メーカーであるSchabmüller社は、これらの要件に応える自社試験装置を生み出しています。HBMと協力し、システム要件にあう計測データを取得して、評価できるテストベンチ用ソリューションを開発しました。

 

Schabmüller社は、フォークリフト、ハイブリッドトラック、バス、建設機械、農業機械用の電気駆動装置を設計しています。 Schabmüller社の開発者は、新しい同期モータテストベンチ、特にデータ収集システムGenesis HighSpeedとPerceptionソフトウェアを通じ、HBMの幅広い計測技術を活用しています。ナショナルインスツルメンツが提供するLabVIEW*で開発されたソフトウェアは、テストベンチの自動化と制御に利用されています。 「Genesis HighSpeedシリーズを使った計測システムは非常に簡単で、すべてのプロセスが同期をとってリアルタイムに実行されます。これにより、テストベンチ用のソフトウェア開発がはるかにシンプルに行え、複雑さの回避につながっています」と技術開発マネージャーのMartin Hafner氏は述べています。Schabmüller社の永久磁石同期マシン用にGenesis HighSpeedシリーズを導入することにより、ナショナルインスツルメンツのコンポーネントだけを利用して構築していた計測システムと比較すると、人的コストの抑制が可能になりました。

課題

幅広いモバイル機器に対応する電動モータを開発するSchabmüller社は、次世代同期モータ用をテストするための高精度テストベンチを必要としていた。信頼性の高い計測データと既存システムへの迅速な統合、そのための作業の容易化が課題だった。

 

ソリューション

Schabmüller社はHBMのデータ収集システムGenesis HighSpeedシリーズとPerceptionソフトウェアを組み合わせて膨大な計測データを迅速かつ確実に処理する。 カスタム演算式を使って任意プログラミングを実行しテストベンチの構成部品と自動化を制御するLabViewソフトウェアに高速にデータを転送する

 

結果

Perceptionソフトウェアのセンサデータベースにより、計測システムに様々な種類のセンサをプラグ&プレイで統合。 Genesis HighSpeedシリーズが計測データを確実に収集。リアルタイムで結果を演算しテストベンチを制御できるようになった。 カスタム演算式がプログラミング知識なしでも作成でき、演算結果はリアルタイムで表示/保存され、全生データをポスト解析用にも利用できる。人的コスト削減によるテスト効率化が可能に

革新的な電動モータのための最新テストベンチコンセプト

業界の革新をリードするSchabmüller社は永久磁石同期電気モータも市場に投入しています。この新型駆動システムは冷却部のコンセプトを変えずに非同期モータと同じレベルの電力を生成できます。しかも必要な設置スペースは低減できます。また仮に冷却部の最適化や改良を行えば、その効果は比較にならないほど上がります。これを達成するために、同期モータは高い要件を満たす必要があります:それはつまりパワフルで、エネルギー効率がよく、入出力のエネルギー変換効率が最適化されているということです。高精度な最新の電動モータ試験を実施するため、Schabmüller社はHBMの技術エキスパートと協力して、新たな電気駆動系用テストベンチの最適化に取り組みました。

"PerceptionとLabVIEWは、インタフェースを介して非常に簡単に接続できます。このため当社はデータ収集システムGenesis HighSpeedとPerceptionソフトウェアとの組み合わせをLabVIEW開発環境に加えて選択しました"

Schabmüller社の開発エンジニアStefan Lauck氏はそう述べています。 Perceptionソフトウェアのセンサデータベースのおかけで計測システムには電流センサや電圧計、トルクセンサなど幅広い種類のセンサを接続できます。 USBデバイスをコンピュータに挿入することもプラグ&プレイで接続することも容易です。 電気計測部として振動センサを接続することもできます。テストベンチのセットアップ時間とリソース削減につながります」

 

Schabmuller社のテストベンチは、同期したシステム構成鵜品感の電力-エネルギー変換効率を短期的かつ連続的に精度よく把握するために使われています。また耐用年数や部品信頼性を確認するためにさまざまな計測作業にも活用されています。 Schabmüller社の技術エキスパートは、回転速度とトルクを計測しながらモータ効率/損失マップを生成し、その計測データに基づいて縦軸と横軸方向のインダクタンスを把握します。 さらに最大の機械負荷での寿命予測を行っています。 また長時間の熱実験では、長期運転や一定間隔での運転によりモータにかかる負荷パターンの把握も行っています。「電動モータの寿命は少なくとも50,000時間です」とStefan Lauck氏は説明しています。

超高速なリアルタイム試験システムを最適化

精密な生データを得るためにはテストベンチの個々のコンポーネントが完全に連携している必要があります。Schabmüller社はテストベンチにGenesis HighSpeed GEN7tA用データ収集ボードGN610Bを使用しています。 DSP、ボード上の信号プロセッサは、計測データをリアルタイムに処理し演算結果を表示します。また演算結果は、EtherCAT接続により1秒間に最大1,000回のスピードでLabVIEWに転送され解析されます。これと並行して、HBMのPerceptionソフトウェアは取得したすべての生データを保存します。「計測データとリアルタイムの演算結果が同時に得られ、かつ転送され同じタイムスタンプを持っている-そのメリットは多大です」とStefan Lauck氏は強調しています。

"独自の演算式を作成してPerception上で計算を実行でき、演算データベースに保存できます。演算式は後処理にも、またDSP上のリアルタイム演算にも使えます。”

Perceptionソフトウェアは、任意にプログラム可能なソフトウェアインタフェースを介してLabVIEWと通信します。 LabVIEWは、テストベンチの制御と自動化を可能にします。リアルタイムコンピューティングの結果に基づいて、負荷と試験用インバータを制御します。「計測データはサイクル同期がとれた個別データとしても利用できます。例えば電流と電圧、トルク値のRMS値が得られます」とStefan Lauck氏は述べています。 「必要に応じて生データを保存してより広範なポスト分析に使用しています。」サイクル同期のとれた個別データに加え、連続データをPerceptionの演算データベースにリンクしてリアルタイム処理することもできます。プログラミングの知識は必要ありません。

センサの統合やチャンネル同期が容易に

「LabVIEWとHBMのPerceptionソフトウェアを組み合わせは多くのメリットをもたらしてくれました」とStefan Lauck氏は述べています。 Genesis HighSpeedはセンサからの計測データを同期をとって記録し、51個の電力チャンネルでも最大2MS / sのサンプリングレートが確保されています。複数チャンネルならびに入力ボード間でサンプリングレートを自動で同期させることができ、設定の手間を軽減します。膨大なデータをすばやく保存できLabVIEWの利点は最大限に活かせます。たとえばTDMSデータフォーマットにより大容量データを高速保存でき多彩なポスト処理ソフトウェアを使った解析も容易です。

Schabmüller社の開発者は、HBMのPerceptionエキスパートから丁寧な技術サポートを受け、テストベンチへのデータ収集システム統合を完了しました。 Stefan Lauck氏は「Perceptionソフトウェアにより、信頼性の高いデータ収集が効率よく行えるようになりました。HBMの導入トレーニングによりすぐにシステムに熟練できました。またソフトウェアは非常に扱いやすく、目的にあわせた計測のシークエンスも定義できています。」とコメントしています。


* LabVIEW is a trademark of National Instruments. Neither HBM, nor any software programs or other goods or services offered by HBM, are affiliated with, endorsed by, or sponsored by National Instruments.

Schabmüller GmbH

Schabmüller GmbHは、世界最大級の電動モータの独立系メーカーで、年間300,000台以上の駆動ドライブを生産し、年間売上高は9,000万ユーロを超えています。 バイエルン州Berchingに本拠地を置き、50年以上にわたり、フォークリフト、建設機械、農業機械、ハイブリッドバスやトラックのサプライヤーとして世界を舞台に活躍しています。 フォークリフトトラック用としては、DC、非同期、および同期モーターを製造し、推進システムやステアリングシステム、またポンプモータのリフティングをプロセスサポートしています。標準的なエンジン開発ではなく、特定のアプリケーションにカスタマイズされたエンジン開発に集中している点が同社の成功の理由の1つです。