BAE Systems, a lead UK contractor for the aircraft’s build and development, is responsible for the structural testing of the CTOL airframe.

F-35が性能面でのメリットを受けるBAE Systems社の統合型構造試験方式

米国では別名ライトニングIIと呼ばれているF-35統合打撃戦闘機(JSF:Joint Strike Fighter)の性能は、多方面に影響を及ぼしています。イギリスでは、このF-35をJoint Combat Aircraft(JCA)と呼んでいます。この戦闘機は、通常離着陸(CTOL:Conventional Take-Off and Landing)、短距離離陸垂直着陸(STOVL:Short Take-Off and Vertical Landing)、空母艦載型(CV:Carrier Variant)という3タイプで製造されており、合計で3,000機が製造される予定になっています。

この戦闘機は、配備に際して幅広い役割を担うことになり、これに軍側からの様々な期待が加わるため、耐用年数の全期間を通じて最高の性能を発揮できるように機体の構造を徹底的にテストすることが要求されます。さらに最新の戦闘機のほとんどに共通する点として、この戦闘機も高い操縦性能を実現するため動的には不安定になっています。こうした事情から、これらに加えて、この戦闘機の開発中および使用年限の全期間を通して慎重にチェックする必要がある構造上の課題が提起されています。

航空機の製造および開発では英国トップのコントラクターであるBAE Systems社は、CTOL機体の構造試験を担当しています。ウェストヨークシャー州、ブラフ市にある同社の「構造および動的試験施設(S & DT)」では、2種類のF-35の機体を対象とした構造開発の実施とモニタリングを継続的に行っています。

機体が、予想される耐用年数の全期間にわたって構造的な強度設計仕様を満たすことを示す、定量的データを提供することがS & DTの目的です。S & DTでは、設計、製造、および試験寿命サイクル全体にわたる大規模な構造試験の運用を専門に行っています。

BAE Systems社におけるF-35の構造試験方式で最も重要な点は、試験情報のより優れた管理方法を開発する必要性でした。BAE Systems社は、これまでのアプローチを根本から見直した新しい発想を採用することにより、無駄をなくして合理化することを希望していました。

静止試験と動的な試験

F-35戦闘機を対象としたBAE Systems社の構造試験では、HBM製の機器を活用し、世界最大クラスの構造体データ取得システム上で3,800個ものチャンネルからデータを収集しています。

疲労試験静止試験の両方がS & DTによって実施されました。疲労試験は、静止試験と比較すると終了までにはるかに長い時間がかかり、長期間にわたる構造応答の変化を見つけ出すデータトレンディングに基づいて行われます。こうした試験により、亀裂など稼動に関わる状態が発生する可能性を簡単に示すことが可能です。

試験は、潜在的な使用上の損傷を再現するために、種々の構造部品に対して加速された時間枠の中で様々な負荷をかけて実施します。種々の試験構造体に対して力がどのようにかかるかを、複雑なPCベースの試験制御およびデータ取得システムを使用して制御し、起きる反応を慎重にモニタリングします。試験サンプルにストレインゲージを取り付ける方法が一般的で、これにより発生した歪みをリアルタイムで記録することが可能になります。

S&DTの構造試験では、データの取得および解析HBM製の機器を使用します。この機器にはHBM製catman® Enterprise ソフトウェア を含むデータ取得システムがインストールされており、さらにシステムは試験リグの全域にわたる8台のキャビネットに分配された32基 MGCplus デバイスに接続されています。HBMの各機器は完全に同期されているため、BAE Systems社は構造物を対象とした世界最大クラスのデータ取得システムを獲得したことになります。

MGCplusは、広範にわたるセンサ変換器フィールドバス接続に加えて、標準的なPCインターフェースにも対応しており、このアプリケーションには最適な製品となっています。またモジュラー設計になっているため、万が一BAE Systems側の要件が変更された場合でも容易に拡張または改変を行うことが可能です。

catman®Enterpriseソフトウェアのパッケージは、高チャネルカウントの計測用として開発されたもので、MGCplus DAQ(データ取得)システムを使用し、同時に専用の計測データサーバー(MDS:Measurement Data Server)が実際の計測を実行するため、リアルタイムのモニタリングと評価が可能です。このセットアップの場合、試験エンジニアは、HBM製のML801カードおよびAP815接続ボードを装備した3,800余りのチャンネルにアクセスすることができます。AP815接続ボードの終端は、データ取得用のRJ45コネクタになっています。

データの共有

HBM製のMGCplusおよびcatman® Professionalソフトウェアを使用してデータの取得および解析を行い、F-35の飛行試験機器がすべて作動していることを確認します。

もう一つの課題は、複数のサイトで正確かつ適時に試験データを共有することです。これには、ドイツのBrough市とSamlesbury市にあるBAE Systems社の各サイトに加えて、米国にあるロッキード・マーティン社の3工場、ノースロップ・グラマン社のEl Segundo工場などが含まれます。こうしたデータの共有が重要なのは、試験チームが実際はどこにいても連携して速やかな意志決定が可能となるからです。HBMが供給するMD Clientソフトウェアを使用することで、各種の構造的完全性チームと試験データをリアルタイムで共有し、これらのデータを予想値や上限/下限アラーム値と比較することができます。

各試験システムコンピュータ間の情報伝達を容易にするため、BAE Systemsにはローカルエリアネットワーク(LAN)が付属しています。HBM製の計測データサーバー(MDS:Measurement Data Server)は、工業規格のTCP-IPプロトコルを使用してEthernet経由でBAE Systemsの制御ネットワークと通信するように設定されています。

BAE Systems社では、データ保存用として、またアップロード中に統計データを自動的に生成する目的で、HBM製のnCode Automation™を使用しています。また、グラフ表示用のプロットを生成するためにHBM製のnCode GlyphWorks®も使用しています。HBM製のnCode Automation™では、自動的なデータ保存に加えて、解析レポート作成も可能です。さらに、試験データおよび関連情報の共有を目的としたウェブベースの共同作業インターフェースも提供されます。これを使用することでBAE Systems社は、試験終了後から2時間以内に複数のチームにデータを示すことが可能になりました。HBMが提供するnCodeの製品レンジは、HBM製のデータ取得および解析ツールを補足するために設計されています。

完全に追跡可能なシステムは、BAE Systems社と共同で作業しているHBM UK(英国HBM)のスタッフの手で常に校正済みかつ完全に運転可能な状態に維持されています。これによりエンジニアは、機体の試験中に取得したすべての結果に対して、さらに自信安心感を持つことができます。HBM UKはISO 9001の認証を受けており、重要な技術上の課題に対しても確実なサポートを提供しています。

 

FTI試験

F-35の開発においてBAE Systems社の専門知識が重要な意味を持つもう一つの分野は、機上に搭載されている飛行試験用計測機器(FTI)システムのリスク軽減(de-risking)です。この分野は特に難しく、独自のアプローチが必要でした。最新の軍用機の場合、データ取得システムの試験においては、重要なタスクはその軍用機自体に搭載されているFTIシステムを使用して実施するのが一般的です。

しかしF-35の場合、機体に搭載されているシステムの試験には慎重な調整作業が必要でした。それは、試験システムの取り付け作業は米国テキサス州のフォートワースで行ったのに対し、機体後部は英国で製造されたからです。これは、SamlesburyにあるBAE Systems社がその機能を強化して、装備されている変換器および関連する機体の配線を、製造中にすべてチェックしなければならないこと意味しています。このアプローチにより、システム全体が正常に機能しているという高いレベルの信頼が得られることになります。

HBM製の飛行試験用計測機器には、BAE Systems社のエンジニアにとって必要なツールが含まれています。HBM製のMGCplusおよびcatman® Professionalソフトウェアを使用してデータの取得および解析を行うことにより、BAE Systemsは試験を簡単かつ正確に実行することが可能になります。

ストレインゲージ、圧力変換器、加速度計などを含む広範な変換器からのデータを、この計測機器を使用して収集します。HBMとのコンサルティングの後に、BAE Systemsはストレインゲージ入力用の48チャンネル加速度計入力用の16チャンネル、および8つの熱電対入力を中心としたシステムを選択しました。これに加えて、HBMは現場でのトレーニングとサポートも実施しました。

 

お客様情報

BAE Systems

HBMへのお問合せ HBMやHBMの製品について「もっと詳しく知りたい」、「わからないことがある」、「こんな製品を探している」などございましたら、お気軽に下記お問合せフォームでご連絡ください。