トヨタモータースポーツテストベンチでQuantumXアンプがモータの温度を記録|HBM トヨタモータースポーツテストベンチでQuantumXアンプがモータの温度を記録|HBM | HBM

リアルタイムでのデータ収集

HBMの技術は、特に使い勝手に優れた実用的なアプリケーションです。起動前、熱電対がQuantumXのオープンインタフェースを経由して、LabVIEWソフトウェアにより校正されます。次に熱変換器が、モータブロック、シリンダヘッド、排気システムに設置され、各材料の必要とする深さレベルでの温度を計測します。テストベンチは、運転中に発生する様々なタイプの荷重をシミュレートするために、テスト中に、いくつかの動作点を通ります。 QuantumXは温度を記録し、スケーラブルなテストベンチシステムにリアルタイムに情報を転送します。

LabVIEWTM を使用したQuantumX温度計測

「私達のシステムは、QuatumX CANbus Gatewayを使用して、試験スタンド計測システムに組み込まれています。すべての温度データに瞬時にアクセスできます」 とKanzenbach氏は説明しています。チャンネルあたり毎秒300点の温度計測値が、干渉を受けずに、24ビットの分解能最大15ヘルツの帯域幅で記録・送信されます。2つの計測点のみで計測チェーンの温度校正が可能になり、計測精度が大幅な改善され、わずかな動的温度変化でも記録が可能になります。

 

その後データは、テストベンチ上で速度やトルクなどの他のエンジン数値と結合されます。超高速(最高30,000rpm)用に設計されたHBMのT11Fトルクセンサは、慣性モーメントに対して最適化され、ここで活用されています。 以上により、様々なエンジンの負荷レベルでエンジン内の温度分布を計測することが可能になります。「温度の高精度計測により、エンジニアはさらにエンジン効率を向上させることができます」そうKanzenbach氏は結論付けています。

 

 

* LabVIEWはナショナルインスツルメンツ社の登録商標です。

高速な温度計測:トヨタモータースポーツテストベンチでQuantumXアンプがモータの温度を記録

時速320Km以上で急加速とシャープなブレーキングをくりかえす、ルマンのような長距離レースは、エンジンの耐久試験となります。この中で温度分布は、中心的な役割を果たしています。

Toyota Motorsport GmbH(以下TMG)は高い技術を専門とする試験と開発をおこなう業界屈指の会社です。 TMGは新型テストベンチを使用して、エンジンを最適化して効率を向上させます。この中でも、HBMのQuantumX計測データ収集システムがテストベンチに装備されています。

新型燃焼式エンジン用テストベンチ

ケルンに本社を置くTMGは、日本の自動車メーカーがフォーミュラワン(F1)に参加していた時代に、エンジンやシャーシなど、レーシングカーの構成部品の開発とテストを行ってきました。トヨタが2009年にF1を離れてからは、同社は、ハイテクに特化したテストおよび開発のセンターになっていました。 2012年には、FIA世界耐久選手権(ル·マン24時間を含む)にハイブリッド車で国際モータースポーツに戻りました。 TMGは、車の様々な構成部品のために、風洞を始め、おびただしいい数の試験方法を開発してきましたが、社内用の開発プロジェクトだけでなく、モータースポーツや自動車分野の業者に対してもサービスを提供しています。

さらにサービスの範囲を拡大するために、エンジン部門は多点温度測定ができる新しい燃焼式エンジンテストベンチの導入を2013年の初めに決めました。「これにより、エンジン内の温度分布をシミュレートすることが可能になり、そのデータにより、例えば、冷却回路を最適化し、エンジン全体の効率を高めることができる。」とBruno Kanzenbach氏(TMGのシニアエンジニア)は説明しています。 さらに「TMGは、テストベンチのノウハウを数多く所有しているが、計測技術に関しては、専門業者の専門知識を活用することにしています」と述べています。

チャンネルを多数必要とする計測

HBMのQuantumX計測データ収集システムは、テストベンチ向けの最終候補リストに載りました。「我々は高性能トルク測定の専門家として長年、HBMに慣れおり、ほぼすべてのエンジンテストベンチにHBMトルクセンサが装備されています」とKanzenbach氏は述べています。 シャーシ部門と校正試験室に勤務の同氏は、計測における幅広い経験をかわれて、計測技術の選択の責任者となりました。 同氏はまず、必要事項を定義しました: テストベンチの少なくとも100か所以上の測定点から、同期してリアルタイムに直接にデータを提供できるシステムであること。また計測技術自体はわずかな温度変動でも、とらえることができる性能が必要です。

「我々は、計測用アンプシステムを4つの候補に絞り込んでいました。そのなかで、HBMのQuantumXは、実用テスト上で、特に計測の不確性が極めて低い点で優れていたので選択されました」とKanzenbach氏は述べています。QuantumXはモジュール方式でチャンネルを配置できるシステム概念により、多数の計測点に柔軟に対応できます。そして一般的に使用されるすべてのセンサ方式がサポートされています。 HBMは、8モジュールタイプのMX1609(16チャンネル熱電対計測アンプ タイプK)をTMGに納入しています。このアンプは計測精度が高く、熱電対を直接接続できます。

「ケーブルクランプにはリスクがあります。 計測値が、エンジンから部屋の中に排出される熱によって歪められる問題です。しかし、このコネクタ・ソリューションでなくなります」とKanzenbach氏は説明しています。「このコネクタは、また、セットアップ時間を短縮します。エンジンのテストベンチは構造が複雑で、原則として電子機器と冷却回路及び排気を含む完全な車体をシミュレートしています。100点以上の計測点があり、QuantumXのように単純にコネクタでアンプ接続できれば非常に実用的です。また後から追加配線を行う必要がないので助かります」 これにより同社は異なるエンジンのテスト用にシステムを簡単に変換できるようになりました。