GPSを使った新たなデータ収集方法

 

一般的なGPS技術の説明と、位置を移動しながらデータ記録をする方法を解説するページです。データ収集システムQuantumXシリーズに接続できる様々なセンサを使用し、それをパラメータ化する方法と、位置データのポストプロセス分析手法について述べます。

位置やマップベースのデータ収集と分析

位置ベースやマップベースのデータは、移動中の車両より収集したデータを分析する際、位置をトレースできる試験レポートが可能になるので非常に有益です。動画は、もう一つの大きな利点です。無人で記録したデータの完全な視覚情報の提供が可能になります。

データ収集システムQuantumXシリーズは、研究室設置ベースとモバイルベース両方のデータ収集に最適なツールです。GPSセンサか正確な位置情報を記録できる上、様々な計測値の高品質なアナログデータ入力と完全も備えています。 アナログ入力には、歪み、圧力、加速度、トルク、力、温度、変位などの機械量、熱量および電気量、さらにCANバス信号情報も含みます。

GPSデータを取得することにより、時間軸での車両の位置情報と挙動情報を測定結果に容易に関連付けることができます。テストコースや一般道のある区間で収集されたGPSの位置情報を抽出して、事前に取得した計測データと関連づけることも容易です。

GPSについて

GPSGlobal Positioning System(全地球測位システム)の略で、米国NAVSTAR衛星システムに基づいています。一般に、衛生航法システムGNSS(Global Navigation Satellite System)としてに認知されているのはこのGPSですが、その他にもロシアのGLONASSと呼ばれるシステムが運用中です。またEURO圏のGALILEOは2014年で計画、2019年までに全システム完成予定、中国はCOMPASS(Beidu-2ナビゲーションシステムを2015年で計画、2020年までに完成予定)、日本では、準天頂衛星システム(QZSS: QUASI-zenith Satellite System)を開発整備中です。※2014年3月現在

GPSセンサは、地球を周回する人工衛星から次の情報を受信します:

  • XY及びZ軸(経度、緯度、高度)方向の位置
  • 時間(また、コード化されたダイレクトPPS信号として)
  • Ÿ 可視衛星の数

GPSセンサの中には、スピードのような、演算により得られる付加的な情報を提供するものもあります。シリコン技術のさらなる発展のおかげで、GPSセンサが将来、さらに多くの情報を提供できるようになることは明らかです。近代的な慣性計測ユニット(IMU)がGPS情報を「微調整」したり補完したりします。つまり、加速度、ジャイロや温度などのローカルセンサにより、より高速にで方位角(ピッチ、ロール、ヨー)を計算します。現時点では、GPSセンサは、上空方向に見通しのより視界を必要とします。 例えば、車の屋根の上に取り付けて、上空方向に360°の視界を確保して、できるだけ多くの衛星のから信号を受けられるようにします。

データ収集・処理ソフトウェア(データロガー用ソフトウェア)は、位置データに基づいて走行距離、方向、加速などを計算することができます。GPSは、正確に特定の位置の緯度と経度を計算するために使用されています。GPSシステムは、24時間に地球を2回転する多数の衛星ネットワークをベースに動作しています。正確な衛星の軌道と高精度なクロックの使用で、車両位置や利用者位置の正確な三角測量を可能にします。各衛星は、その正確な位置と、非常に高精度な時間情報を送信しています。このGPS用の正確な時間は、米国海軍観測所の原子時計によって衛星システムに提供され、システム全体が完全に同期するようになっています。

GPSの利用者

 

GPSは、あらゆるタイプの車両のナビゲーション、ハイキングやマウンテンバイクなどのレクリエーション活動 など、数多くの形態で利用されています。最近の携帯スマートフォンやデジタルカメラは、GPSセンサを内蔵するのが一般的です。気象学者は、天気予報のために使用しています。地質学者は、調査の精度向上に使用したり、地震の研究で地殻変動測定に使用したりします。

QuantumXデータ収集システムと組み合わせて使用すると、GPSは自動車、トラック、バス、オートバイ、マテリアルハンドリング、収穫機、列車、飛行機などの乗り物の運動解析に利用できます。

GPSと一緒に使用する、非常に動的な慣性センサがあります。また内蔵式センサを使用して、特別なアプリケーションに対応しています。

たとえば、運動学的測量や「エルクテスト」として知られている車両の検証(ISO4138、ISO7401、ISO7975やISO3888-2のようなテスト基準に従って行う)などです。

QuantumXは、計測およびテスト用のエンジニアリングツールです。あらゆる種類のアナログおよびデジタルデータが、CAN、CCPやXCP-ON-CAN経由してバス信号として収集できます。 例えば、「フロント左の車輪速度」のデータを、車両の位置(GPS)と映像データと並行して、かつ関連付けて記録できます。

 

 

GPS動作原理

GPSは29個の衛星(衛星24個以上が稼働)を使用した、衛星ベースのナビゲーションシステムです。システムの正式名は「タイミングと測距の航行衛星 - 全地球測位システム - NAVSTAR GPS」です。元々このシステムは、米国防省が開発し、1995年に正式に使用開始されました。 世界のどの位置からでも6-10衛星からの信号の受信(最少4個の衛星信号を同時に受信)が可能なため、すべての衛星は、正確な軌道上を周回しています。すべてのGPS衛星は、民事用L1周波数バンドの1575.42 MHzで、C/ Aコード化されたデータを送信しています。位置と時間のほかに、特別な衛星コードが他の衛星の信号と明確に区別できるように送信されます。GPS受信機が信号(CDMA)を解読します。高精度の軍事用P/Yコードは公開されていません。

 

GPSセンサが、最少3個の衛星から信号を受信した場合、位置情報(緯度と経度)がセンサによって正確に計算されます。衛星が4個になると、さらに高度(=海抜の高さ)の計算ができます。航空機において、「高さ」は、一般的にセンサと地表間の距離を測定するために使用されます。より多くの衛星を使用すると、より高い精度が得られます。QuantumXシステムとGPSセンサは電源を投入時に、人工衛星の検索を開始します。このプロセスは5分以内に完了します。 GPSは初期化された後、通常すべての信号を1分以内で取得します。これはソフトウェアによってチェックされます。

 

 

GPSの精度

位置精度は、多くの要因に依存します。 GPS受信機が、より多くの衛星から信号を得ると、通常より良い信号が得られます。 衛星の位置にかかわる受信信号のエネルギーレベルは、精度にとって重要な要因です。また衛星とセンサの間に位置する高層ビルなどの障害物は、信号の受信不良や反射ために、不正確さを引き起こす可能性があります。一般的には標準的なGPSセンサの精度は、10m/yard未満です。

GPSセンサをQuantumX に接続

 2種類のインタフェースがGPSセンサをQuantumX に接続するために使用できます。

  • RS-232-/ DSub-9
    • QuantumX インタフェース: CX22 / CX22B-W data recorder にRS232を直結
    • NMEA 0183基準でセンサがデータ送信送信レート:1~5 Hz
  • CANバス
    • QuantumXインタフェース: MX840 / MX840A (チャンネルno.1) か MX471 (チャンネル no.1-4)
    • CANバスでセンサがデータ送信
    • 送信レート: 20 – 200 Hz

RS232ベースのGPS センサ(NMEA 0183 プロトコル)

Selection:

  • NAVILOCK NL-403P 磁気フット付
  • GARMIN GPS18-5 Hz
  • GARMIN GPS35 tracpak
  • VBSS 5/10/20/100 Hz

このタイプのGPSセンサは、内蔵アンテナを持ち、1-5 Hzの更新レートと低消費電力が特徴です。RS232(メス)インタフェースはD-SUB9ピン・シリアル・コネクタでQuantumXデータ収集システムに直接接続することができます。受信機は、衛星を12個まで追跡することができます。この種のセンサは、低速走行の電車や船などの乗り物に最適です。

追加の電源ケーブルでシガーライタープラグ(6...40 V DC)に接続することができます。センサは防水ケースに入っており、-30 ~ 80℃の間の温度範囲で動作します。

NOTE: HBM Somat のEGPS-5HZ はM8 オスコネクタが付属しています。

 

RS232 / NMEA 出力配線(DSub-9)

 

 

DSub-9

Racelogic

VBSS

GARMIN
GPS18-5 Hz

GARMIN

GPS35 tracpak

Pin / Signal

Signal

Signal

Signal

1

-

red

red

2 / RX

8 / TX

white

white

3 / TX

1 / RX

green

blue

4

-

-

-

5

9

-

-

6, 7, 8, 9

-

-

-

 

USBベースのセンサは、catmanEASYソフトウェアでサポートされています。目的に応じてご発注ください

RS232ベースのGPS センサのパラメータ設定手順

  1. GPSセンサをCX22 / CX22B-WRS232に接続
  2. データ収集システムのソフトウェアをスタートして、 “Configure device scan” ダイアログを開く

  1. "Manual devices”のタブを起動して “New device” を追加

  1. ポートを以下のようにして設定。(GPSデータシートに別の指示がない限り)

  1. “Consider manual devices" を選択する

  1. “New DAQ project” をスタート
  1. 全デバイスが自動的にスキャンされます。次の画面は、QuantumXモジュール1個と、RS232ベースのGPSセンサからのGPS信号:緯度、経度、高度、速度、時間を示しています。

注:時間信号を提供するには、少なくとも1つのQuantumXモジュールが必要です。全てのGPS信号がこの時間グループに関連づけられます。

CANバスベースのGPSセンサ

基本的にこのバス規格を提供する任意のGPSセンサは、QuantumXシリーズに接続できます。 MX840、 MX840A および MX471 モジュールがISO11898高速CANバス接続を提供します。データシートに従ってバス速度を調整することができます。データフォーマットは、MotorolaまたはIntelとなります。 使用すると、バスの終端部をソフトウェアで切り替えることができます。MX840やMX840Aを使用する場合はプラグにMX47aをはんだ付けする必要があります。

このタイプのセンサは、最高のスピードと精度を必要とする、自動車、スポーツ車両や二輪車の車両試験で使用できます。

 

典型的なアプリケーション:一般的な車両運動(垂直または水平)。

 

 

CANバスベースのGPSセンサを 順次設定する方法

  1. プライベートCANバスノード上にGPSセンサを接続
    MX471:チャンネル1-4または
    MX840/ MX840A:チャネル1
    注:QuantumX側でCANバスを終端しなければならない場合があります。(MX840Aはプラグ、MX471はソフトウェアコマンド使用)
  2. センサデータベースで: GPSセンサよりdbcファイルをインポート
  3. チャンネル・オーバービュウで: dbcファイルをチャンネルにドラッグアンドドロップしてCANノードを設定
    データレート: 500 kBit、ターミネーションはON
  4. オプションで信号を可視化できます、図表上に数値で場所を表示:温度、分、秒

 注:時間信号を提供するには、少なくとも1つのQuantumXモジュールが必要です。全てのGPS信号がこの時間グループに関連づけられます。

 

 

RacelogicからCANバスベースの GPSセンサを診断

GPSデータが見つからない場合は、 VBSSソフトウェアを使用してGPSセンサを分析

  1. RS232経由でGPSセンサをPCに接続して、正常に動くか動作確認をする。

  1. CANタブを開き、必要に応じて以下のパラメータを変更:
    ボーレート: 500 kBit (デフォルト設定)
    バス終端 CANバス: Active Termination = ON, センサ側は120 ohms
    CAN-ID: 0x301 … 0x307
    CANメッセージID:標準 11 Bit
    変更後は、毎回記録をとり、“Write Settings” をクリックして変更を固定する。

  1. センサのダイレクト・アナログ出力電圧を設定(BNCプラグ):
    車速(図示のように)、横加速度、前後加速度やラップビーコン(レースでのラップタイム計算のために、GPSデータに基づいて、「仮想」スタート/エンドを通過時にパルスを発生)にたいして設定

位置ベースまたは地図ベースのポストプロセス分析

 

強力なグラフィカル・ポストプロセス・ツールであるHBM nCodeのGlyphWorksを使用して、全データを視覚化し、自動分析することができます。

同期ディスプレイパッケージを使うと、Microsoft MapPoint またはGoogle Earthへエクスポートして、GPSデータを地図上に表示できます。

様々な種類のゲージを同期させ、センサやバスデータの入寮地をもとに、正確な位置映像を表示できます。 PDF形式の膨大なフィールドテスト結果の中から目的の分析レポートをワンクリックで検索でき、エンジニアリング上の作業効率を高めます。

 

GlyphWorks –着目した計測データの可視化、時間ドメインと周波数ドメインで分析

 

GlyphWorks –グラフィカルなフローで演算処理によるデータ分析。左から右に:データプール、スピードの計算、加速とスピード時間、FFT演算、地図情報


 

 

GlyphWorks – 自動生成された総合レポート(例 )メタデータ、データ、GPS、位置、分析などのテストに関する全項目を表示


 

 

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